性格分析のすすめ【エニアグラム基礎編】
はじめに
こんにちは、ヤスシです。まずは自己紹介します。22卒の就活生で、3番目にできた旧帝国大学 (謎の自慢: 偏差値は3番目どころじゃないです…) の大学院で研究に励んでいる理系院生でもあります。しかしながら就活をする中で、社会の仕組みや経済、自己分析に興味を持つようになりました。
自己分析という名目の中で、今回は、自分が面白いと思ったエニアグラムを紹介させていただきたいと思います。あくまで、紹介をしてきっかけを提供したいだけなので、詳しい内容は調べていただいた方がわかることも多いと思います。少しでも興味を持ったらお付き合いいただけると幸いです。
エニアグラムとは
簡単に言うと、「人の性格を9つに分類するツール」です。成り立ちは複雑な歴史があるみたいですが、今回は省略します。エニアグラムは「根源的恐れ」、「根源的欲求」、「無意識のルール」から生じた性格により分類します。以下にそれぞれの分類の構造とタイプの特徴を記します。
3つの大きなグループ
まずは9つのタイプを3つのグループ (センター) に分けます。それぞれヘッドとガッツ、ハートと呼ばれ、それぞれに以下のような特徴があります。
ガッツセンター (タイプ1・8・9)
・外界からの怒りの感覚
・快・不快を身体で感じ取る
・現在の時間軸を重視する
ハートセンター (タイプ2・3・4)
・他人からの関心を意識する恥の感覚
・他人からの関心を心で感じ取る
・過去の時間軸を重視する
ヘッドセンター (タイプ5・6・7)
・将来の事態を頭で予測する恐怖の感覚
・未知の出来事を頭で想像する
・未来の時間軸を重視する
各タイプの説明
各センターに含まれる3つのタイプは、行動スタイル (ホーナイグループ) または対人反応 (ハーモニクスグループ)で分類することができます。
行動スタイル
主張型: 主体的・積極的。直接働きかけたいリーダー気質
追従型: 協力的。他人の役に立とうとするフォロワー気質
遊離型: 周囲と関わることを避け、自分の世界に入るマイペース気質
対人反応
楽観的反応: 相手の悩みに対して励ます。ポジティブ。
合理的反応: 相手の悩みに対して、具体的な解決策を示す。ロジカル。
反射的反応: 相手の悩みに対して、経験や知識に基づいたとっさの反応をする。
それぞれのタイプを恐れ・欲求・ルール・スタイル・反応で説明していきます。また、各タイプは心身ともに安定または不安定になると、他のタイプの良い・悪い特徴を帯びるようになります。それについても「成長」・「ストレス」として記していきます。
ガッツセンター
タイプ8 (挑戦する人・統率者)
恐れ: 他者から傷つけられ、操作されること
欲求: 自分を守って、この瞬間の「自由」を勝ち取りたい
ルール: 主導権を握り、力さえあれば人生は上手くいく
スタイル: 主張型
反応: 反射的
成長: タイプ2 (助ける人・献身家)
ストレス: タイプ5 (調べる人・研究者)
「欲望」に囚われている。自分の意思を強く主張し、どんな状況でも自分が場を支配したがる。身体で感じた現在の怒りを外に向ける。
タイプ9 (平和をもたらす人・調停者)
恐れ: つながりの喪失と分裂
欲求: 平和でありたい
ルール: 自我を持たず、自己主張をしなければ人生上手くいく
スタイル: 遊離型
反応: 楽観的
成長: タイプ3 (達成する人・野心家)
ストレス: タイプ6 (忠実な人・堅実家)
「怠惰」に囚われている。その場の雰囲気や今の心地よさを維持するために、自らの成長の機会を放棄して流されるままに生きる。怒りを感じないように外界に適応させる。
タイプ1 (改革する人・完璧主義者)
恐れ: 自分が悪く、堕落して、欠点があること
欲求: 常に正しくありたい
ルール: 正しいことをすれば人生は上手くいく
スタイル: 追従型
反応: 合理的
成長: タイプ7 (熱中する人・楽天家)
ストレス: タイプ4 (個性的な人・芸術家)
「怒り」に囚われている。現実があるべき姿でないことに怒りを抱きながらも、「怒ることは良くない」と言い聞かせて改革活動を試みる。身体で感じた現在の怒りを内に留める。
ハートセンター
タイプ2 (助ける人・献身家)
恐れ: ありのままの自分が誰からも愛されないこと
欲求: 愛されたい、必要とされたい
ルール: 誰かの助けになれば、私は愛される
スタイル: 追従型
反応: 楽観的
成長: タイプ4 (個性的な人・芸術家)
ストレス: タイプ8 (挑戦する人・統率者)
「プライド」に囚われている。無意識に自分の感情を封じて相手のニーズに合わせる。献身的で優しい存在になることで、「相手より上である」という感覚を得る。過去を気にし、周りから関心を得るために外に働きかける。
タイプ3 (達成する人・野心家)
恐れ: ありのままの自分に価値がないこと
欲求: 価値のある存在になること
ルール: 何かを達成して認められれば、人生は上手くいく
スタイル: 主張型
反応: 合理的
成長: タイプ6 (忠実な人・堅実家)
ストレス: タイプ9 (平和をもたらす人・調停者)
「虚栄」に囚われている。自分が有能で成功しているイメージを植え付けることで、本来の自分と向き合うことを避ける。自分に価値がないのなら、その価値を外から獲得しようとする。
タイプ4 (個性的な人・芸術家)
恐れ: 自分の存在意義を持っていないこと
欲求: ありのままの自分でありたい
ルール: 自分らしさを取り戻せれば、満たされる
スタイル: 遊離型
反応: 反射的
成長: タイプ1 (改革する人・完璧主義者)
ストレス: タイプ2 (助ける人・献身家)
「妬み」に囚われている。自分には何かが欠けていて、他の人とは違う特別で独自性のある人だと思い込む。逆に、他の人を「普通の人達」と決め付け、彼らが幸せで満たされていることを妬む。他者への関心から内向きになる。
ヘッドセンター
タイプ5 (調べる人・研究者)
恐れ: この世で生存できないこと
欲求: 有能でありたい
ルール: 何かに成熟したら人生上手くいく
スタイル: 遊離型
反応: 合理的
成長: タイプ8 (挑戦する人・統率者)
ストレス: タイプ7 (熱中する人・楽天家)
「溜めこみ」に囚われている。限られた自分のリソースを自分のためにのみ使おうと心掛ける。結果として孤立し、知識や情報を集めることに人生を費やす。
タイプ6 (忠実な人・堅実家)
恐れ: ひとりで生きること
欲求: 安全でありたい
ルール: 相手の期待に応えれば人生は上手くいく (かも)
スタイル: 追従型
反応: 反射的
成長: タイプ9 (平和をもたらす人・調停者)
ストレス: タイプ3 (達成する人・野心家)
「不安」に囚われている。先の事を考えすぎて、これから何が起きるかわからないことに不安を感じる。不安を解消するための、大きな力による庇護を求める。
タイプ7 (熱中する人・楽天家)
恐れ: 奪われ、逃げられないこと
欲求: 未来永劫、幸せで満たされていたい
ルール: 自分を満たせば上手くいく
スタイル: 主張型
反応: 楽観的
成長: タイプ5 (調べる人・研究者)
ストレス: タイプ1 (改革する人・完璧主義者)
「貪欲」に囚われている。現状に満足できずに欲しいものは全て手に入れたいと願う。生涯をかけて楽しいこと探しをする。
おわりに
簡潔にまとめようとしていたのですが、結構長くなってしまったのでここで一旦終わります。みなさん、エニアグラムについてなんとなく分かっていただけましたでしょうか。エニアグラムは基本的に「はい・いいえ・どちらでもない」などの三択で分けていくフレームワークです。それぞれの評価軸で考えてみて、しっくりきたタイプを選んでみてください。
応用編として、ウイングやトライタイプといった考え方があります。ウイングは、「メインタイプの他に、それと隣り合ったタイプの内ひとつをサブタイプとして持っている」という考え方です。 トライタイプは、「3つのセンターそれぞれから適したタイプを選び、性格はそれらに優先順位を付けて構成される」という考え方です。詳しくは、「ひよこくんとふくろうくんのエニアグラム (9つの性格) 講座」というサイトを参照ください。基本的にはそちらの記事を参考に本noteを書かせていただきました。その他にも、エニアグラムに関する書籍等、様々な情報源があります。
エニアグラムは自分を知るためのひとつの方法ですが、性格診断に自己認知を歪められる必要はありません。でも、自己肯定感が低くなっている時や、性格の異なる他者との人間関係に悩んでいる時は、こういったものが助けになることもあると思います。
ちなみに、私はタイプ1のサブタイプ9 (タイプ1ウイング9: 1w9)で、トライタイプだと135でした。普段は完璧でなければならないと感じていて、イライラを抑え込んで抽象的なことを問題視していました。就活で悩んでいる時は、ストレスでタイプ4の悪い部分が出てきて、過度に妬みが生じていました。タイプ判断によって自分の長所短所の一部を客観視できて、心が軽くなったのを覚えています。
本来は就活に交えた話題を書きたかったのですが、基本情報で終わってしまったので次回はもっと短めに書かせていただきます。
最後まで読んでいただきありがとうございました。