目標をどう表現するかで結果が変わる
今回も「やり抜く人の9つの習慣 コロンビア大学の成功の科学」を参考に、リーダーとして部下の目標達成力向上に向けた指導へのエッセンスを考えていきます。これまでのnoteはこちらのマガジンをご覧ください。
今回は最終章の「第9章 『やめるべきこと』よりも『やるべきこと』に集中する」を取り上げます。この章は目標の表現方法の重要性が述べられています。
ずばり結論から言うと、「~を止める」という表現よりも、「(止めたい行動に対する衝動が起こったらその代わりに)~をする」という表現の方が、実行性が高まることが実験から明らかになっているそうです。
例えると「煙草を止める」ではなく、「煙草を吸いたくなったら、ガムをかむ」の方が禁煙が達成されやすいということですね。
突然ですが、以下の動画で白いシャツのチームが何回パスをするか数えてみてください。(数年前に流行った動画なのでオチを存じの方も多いかもしれません。初めての場合は素直に数えてみてください。)
これは「右からゴリラが出てくるのに気付きましたか?」というのがオチでして、人は見ようとしているものしか見えないという注意力の限界を体感する実験です。これ逆にゴリラの登場を意識してしまうとゴリラが気になってパスの回数を数えられなくなってしまいますし、ゴリラを見ないでおこうとすればするほどゴリラが気になります。
「何かを意識しない」を意志の力で実現するのは、恐らく脳の構造上相当難しいのです。注意力は一定の方向にしか向けられない、という人間の生理的構造に根性で立ち向かうのはそもそも無意味です。意識しないことではなく、意識すべきことに意識を向ける方が効果的です。
これを部下のマネジメントに応用してみると、「〇〇をしてはいけない」という指示の仕方は効果的ではないことがわかります。
例えば、「会議に遅刻しないように」ではなく、「開始5分前に集まろう」
「わかりにくい報告をするな」ではなく、「報告は結論→根拠→具体例→結論(いわゆるPREP法)で行うこと」と指示する方が、期待した結果につながりやすくなるということですね。
今思うと自分も「~するな型」の指示をすることも多かったと反省しています。是非皆さんも参考にしてみてください。
お薦め書籍
部下の目標達成力を高めるための武器を一つでも多く手にしておきたいというリーダーに、もちろん自身のそれを更に高めたいという方にもうってつけの本です。何といっても簡潔で読みやすいのがお勧めです。
本の概要を知りたい場合はこちらの動画がおすすめです。
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