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レポートは誰のためか?

レポートは情報を伝える方法というよりは、”自己規律訓練”の”手段”なのである。レポートを”書くこと”は重要だが、読むことは重要でないことが多い。
「『HIGH OUTPUT MANAGEMENT』 第2部 経営管理(マネジメント)はチーム・ゲームである」より

ミドルマネジャーのための不朽の教科書と言える「HIGH OUTPUT MANAGEMENT」を元に、マネジメント/リーダーシップを考えていく連続投稿シリーズ第4回目です。過去分は以下のマガジンをご覧ください。

「どうせ日報書いても誰も読まないでしょ?」

部下に日報や週報などの定期レポートの提出を定めているリーダーは多いと思いますが、「書いてもどうせちゃんと読んでないのだから、本当に書く意味あるのか?」という意見をもらった経験はありませんか?逆に自身がそう思ったことがある、または今もそう思ている方もいるかもしれません。

もちろん、リーダーは書かれたレポートにきちんと返信したり、チームメンバーも含めてチャットツールなどにあるリアクションをすることで相互に関心を可視化することはカルチャーとして望ましいのは間違いありません。

ただこのレポートの価値を、上司への情報共有だけと捉えるのは極めて勿体ない、というのが著者の考え方です。単に情報を伝えるだけなら、緊急であればあるほど書類や報告フォームではなく、電話や直接会話するなど別の手段の方がよいだろうというのです。(オンライン前提だとまたちょっと話は変わってきますが)

ではなぜわざわざ工数をかけてレポートを書かせるべきなのか?該当箇所は引用します。

だが、レポートにはもうひとつまったく別の機能がある。レポートが公式化されて記録されるときに、それを書く人は口頭でいうときよりも、厳密にならざるをえない。レポートの作成者はその説明の中で、トラブル個所を確認し処理せざるをえない。つまり、そういう規律と思考を自らに課さざるをえないところから、レポートの価値が生じてくるのである。

レポートの意味を、リーダーへの報告のためだけではなく、報告者本人のセルフマネジメント/問題解決の精度を高めることだと認識させましょうということですね。

他人に現状をわかりやすく報告しようとすれば、客観的な指標による進捗の把握も重要になるでしょう。重要度や優先度付けも必要になります。問題を記載すれば、対策を書かないわけにはいけません。抜け漏れのない現状整理と振り返りを強制化し、適切なアクションを取らせるべく背中を押させるわけです。

書くことは考えること

キャリア3~4年目の頃に、大きなプロジェクトの中で数名のチームリーダーを4つほど兼任で任せて頂いていたことがありました。その頃はチームリーダーは週報を提出することになっていたので、4チーム分提出していました。フォーマットは各リーダーにある程度任せられていたので、ある時自分なりに「ここまで書けばPMや他のPLが見たい情報は全て提供できるはず!」というフォーマットを自作して提出したことがありました。1チーム分でもそれなりにボリューミーになりましたが、それを4通出したわけです。作るだけで2時間程度かかりました。

週明け早々その週報を見たPMは、早速返信を一言だけくれました。

「大変だと思うけど、頑張って続けてみてください」

2回目以降は効率的に書けるようにはなりましたが、それでも毎週1時間以上かけて週報をまとめながら、振り返りと次の計画を練り直していました。結果的に約半年ほど続きましたが、この期間に大きく成長できた実感があります。

「書くことは考えること」とよく言われます。自分で考えて動ける部下を育てるには、まず丁寧にレポートを書かせる習慣を根付かせるのが効果的です。レポートに反発するメンバーがいても、特に若手の場合は部下のためと割り切り、最低でも週次では状況を体系的に報告させる習慣付けさせることをおすすめします。

一方で、繰り返しになりますが、メンバーの書いたレポートや意見に対してリーダーがきちんと返信をしたりリアクションをすることは、非常に重要です。互いが互いに関心を持ちあえるカルチャーを作るのもリーダーの重要な役割であることも合わせて確認しておきたいですね。

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以上、書籍「HIGH OUTPUT MANAGEMENT」から、レポートの意味目的について考えてみました。

このnoteが皆さまのリーダーシップ向上に貢献できれば幸いです。

(アイキャッチ画像:https://unsplash.com/)

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