価値観の共有と避けたい誤解
リーダーシップに関する世界的なベストセラーである「リーダーシップ・チャレンジ」を読み進めながら、リーダーシップを「自ら実践するために学ぶ」べく、そのヒントを綴っていきます。これまでのnoteはこちらのマガジンをご覧ください。
今回も前回に続き「2章 価値観を明らかにする」からです。
リーダーは自分の価値観を明らかにするだけでなく、メンバーと価値観を共有しなければならない。リーダーの価値観が組織への献身の原動力となるように、メンバーの価値観もまた、彼らがどう組織に関わるかを決める。自分の価値観に正直になれる職場では、仕事にも自然に熱が入る。あなたの価値観を明らかにすることは欠かせないが、メンバーの価値観を理解し、全員が共有できる価値観を築くことも、同じぐらい重要なのだ。
~『リーダーシップ・チャレンジ 2章 価値観を明らかにする』 より~
価値観を受け入れる上で間違った文脈を防ぎたい
リーダーが自らの価値観を発信していくことと同じぐらい、メンバーの多様な価値観も受け入れていく組織的度量の大切さは、令和の時代にあっては多くを語らずともよいでしょう。最近では「心理的安全性」という言葉の方が通じやすいのかもしれません。
ただこの心理的安全性ですが、部分的に切り取られることが多いと感じます。明らかに避けられた怠慢によるミスなどをしてもあまり厳しく怒らないとか、誤解を恐れずに言えば、一種の「緩さ」に繋がっているのではないか?という懸念もあるのではないかと思います。
この心理的安全性は、あくまでもハイパフォーマンスなチームの要件の最初の1つでしかないことを忘れてはいけません。他の要素が重なって初めて成果につながるはずなのです。
特に重要だと思うのが、2番目の
相互信頼 - 「チームメンバーは、一度引き受けた仕事は最後までやりきってくれる」と思えるか。
これを伴うことが極めて重要だと思っています。
メンバーの価値観を共有し合う中で、チームの安心感の確保と同様に、チームの規律やコミットメントを両立させていくことこそが目指すべき姿であることまでを含めて、チームの中で共通認識化していくことが何より大切であると思います。
価値観こそWhyが大切
古い話ですが、自分が大学時代に所属していた体育会チームでは、雑用は最上級生である4年生と怪我人の仕事だというルールがありました。ありがちな一年生が上級生の雑用を押し付けられるという文化は一切ありませんでした。
そこには日本一という高い目標に向けて全員がベストを尽くすという価値観が前提にありました。新入生は多く練習して少しでも早く上手くなることがチームへの貢献であり、雑用する暇があれば練習や筋トレをしろと言われました。上級生ほどチームへの愛着や何より勝利への執念も高まっているはずだから、自己犠牲も自然にできるはずだという監督の考え方から生まれてるものです。これ以外も含めチーム内の考えかは全て、日本一になるという目標とリンクしており、違和感を感じるメンバーはいませんでした。
リーダーの価値観にはWhyが必要だと改めて思います。リーダーの(言葉が悪いですが独りよがりな)美学に依存する価値観ではなく、チームの目標達成に貢献できると納得感のある価値観の提示であることがまず大前提なのでしょう。その上で、メンバーとそのWhyも含めて共感を得ていく丁寧なプロセスこそが、大切なのではないかと思っています。
模範的リーダーシップの5つの実践と10の原則
模範となる
1.自分の言葉で語り、共通の理想を確認することで、価値観を明らかにする
2.共通の価値観に従って行動することで、手本を示す
共通のビジョンを呼び起こす
3.心躍るような崇高な可能性を想像し、未来を描く
4.共通の夢に訴えて、人々を引き入れる
プロセスに挑戦する
5.自発的に行動し、革新的な改善策を外部に求めることで、チャンスを模索する
6.小さな勝利を積み重ね、経験から学ぶことで、実践しながらリスクをとる
人々を行動にかりたてる
7.信頼を築き、絆を強めることで協働を育む
8.意思決定の権限を与えることで、人々の能力を高める
心から励ます
9.卓越した成果を褒め、貢献を認める
10.共同体精神をつくりだし、その価値と勝利を讃える
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