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自分にカッコつけない

今回も「やり抜く人の9つの習慣 コロンビア大学の成功の科学」を参考に、リーダーとして部下の目標達成力向上に向けた指導へのエッセンスを考えていきます。これまでのnoteはこちらのマガジンをご覧ください。

今日は「第8章 自分を追い込まない」です。この章では限りある意志力を有効に使うことの大切さを述べています。

この章では、ある禁煙実験の結果が示されています。

3週間の禁煙に成功した元喫煙者達を集め2つの質問をしました。
「将来も禁煙を継続できる自信があるか?」
「今後なるべく、たばこの誘惑のある状況を避けようと思うか?」
このまま禁煙を続ける自信があると答えた人ほど、誘惑のある状況を避けようとせず、自分の意志力に頼ったそうです。

数か月後の追跡調査の結果、禁煙を継続できたのは自信があった人達ではなく、誘惑を避けた(つまり自信がなかった)人達だったとのことです。

著者がこの章で繰り返し主張するのは、意志力は有限(消耗品)なので慎重に使えということでした。

自分の意志力を試すようなことをしたり、過分な意志力を求めるような複数の大きな目標に挑むことはせず、何かを辞めるにしても継続的に意志力を消費するやり方ではなく、一度にスパッと辞めることを推奨されていました。

別の言い方で言えば、自分にカッコつけるなということかもしれません。

自分の中で目標に取り組もうとしているわけですから、誰に何を遠慮することもないのです。自分で弱気な自分を認めたくないということなのかわかりませんが、つい自分の意志力を過信してしまうという人間の性は、過去の恥ずかしい自分の歴史を顧みても激しく共感します。

ひるがえって部下のマネジメントを考えてみると、時に「こいつ、無理しているな、かっこつけているな」と感じる時がきっとあるはずです。「一度自分で痛い目に合わないとわからないから一旦放置する」という対応もあるかと思いますし、正直それは現実的には効果的な策でもあるのですが、この意志力は有限かつ非常に不安定なものだと心理学的に実証されていると伝え、無理をさせない選択肢も持てると指導の幅が広がるでしょう。

本書のここまでを総じて、具体的な目標と楽観的な自信を持つことと、極めて慎重にリスクに備えることは一見矛盾するように見えますが、一人の人格として両立し得るし、それが成功確率を最大化するということが、この本の重要なメッセージだと考えています。

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部下の目標達成力を高めるための武器を一つでも多く手にしておきたいというリーダーに、もちろん自身のそれを更に高めたいという方にもうってつけの本です。何といっても簡潔で読みやすいのがお勧めです。

本の概要を知りたい場合はこちらの動画がおすすめです。

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