一石二鳥のマーケティング戦略:生活者向けCMで実現したBtoB成長
はじめまして。ヘルステックスタートアップのUbie(ユビー)株式会社で、生活者向けマーケティングをしている髙原(タカハラ)と申します。この原稿を書いているのは年の瀬、2024年12月なので、ゆく年くる年を勝手ながらやりたいと思います。
(5月にCMをやったんですが)どうだった?
toCだけでなくtoB観点でのリターンも生むことができました。放映から半年経った12月においても認知のリフトは続いています。
来年に向けて考えていること。アプリマーケ界隈のみなさま、お話ししませんか?
ユーザーになめらかな体験を提供するために、今改めて、コラボレーションについて考えてみたい。
こんな感じのトピックで話を進めていければと思います。よろしければ、暫し、お付き合いいただけると嬉しいです。
ユビーのテレビCMってどうだった?
Ubieでは、今年5月に同社初の大規模なテレビCMの出稿を行いました。
大企業のような資金力のないベンチャー企業にとってテレビCMは、億単位のお金を投資する大変に勇気のいるチャレンジではありますが、関係者の皆さんのおかげで想定以上の結果を残すことができました。少し時間が経って改めて、良かったこと・今後の伸び代だと感じることなどを振り返ってみたいと思います。
※前提として、弊社がtoCとtoBのビジネスを行っており、相互に影響していること、社名とサービス名が一緒であること。と言うものがあります。
良かったこと
生活者向けプロダクト単体だけではない、他事業含めた全社的なリスクとリターンを想定し、各種取り組みを推進できたこと。
サービス名(社名)の印象を残すと言うクリエイティブ戦略をとったこと。
今後の伸び代
生活者の方々に対しての独自の提供価値(WHO×WHAT)をまだまだシャープにする余地がクリエイティブにあること
ユビーにどんな価値があるのか?と言う情報を、ユビーを認知いただいている方に届けること
まず、今回のテレビCMは弊社にとって初めての大規模CMキャンペーンでしたので、世の中に対して、大声で、”はじめまして”をするものだと言う位置づけでした。つまり、ファーストインプレッションです。第一印象ってとても大切ですよね。加えて、世の中と書いたのは、"toCのユーザー様もオフィスに出社すればtoBのお客様になりうる、toBのお客様も帰宅すればtoCのユーザー様になるから"です。体調不良という人間であれば誰しも直面しうる悩みに向き合うユビーのビジネスにおいては、toCとtoBのユーザー様/お客様を完全に切り離して考えることはできません。
その前提もと、CMの企画を進めるにあたって
“ユビー”と言う社名/サービス名の飛距離が出ること。(toBのサービスも”ユビー”と言うブランド名で提供しています。)
toBのビジネスで築いてきた信頼性を毀損するようなCM企画でないこと。
このことを特に意識しました。そういったオリエンに対して、企画・制作をになっていただいた(もちろん演じてくださった賀来賢人さんも)広告代理店様はじめチームのみなさまが見事に答えてくれました。本当にいいチームに恵まれ、感謝しています。
今回のキャンペーンで実施したことはCMと直接的に関係した内容だけではなく、例えば、
開発チームも巻き込みアプリストアだけではなく、サービス内にも賀来賢人さんの肖像を使用させて頂いた。
賀来賢人さんの肖像を使用したらサービス内誘導バナーのCTRが向上し、ユーザー様の回遊が促進された。定性的な、ユーザー様からもポジティブな声も多数ありました。
web会議用の壁紙を作成して、toB商談の際に利用してもらった。
商談のアイスブレイクとして、CMの効果等に触れてユビーの拡大を感じてもらい、お客様のポジティブな印象・反応を頂くことにも繋がっています。
といったようなことも実施し、社内関係部署の多大な協力のもとtoC/toB両面で副次的なReturnをCM放映後も継続的に産むことができました。
直接的には、2024年5月のアンベール時期を連動させたtoB向けの施策やテレビCMの制作発表会&事業戦略発表会を実施した事も奏功し、toCのアプリインストールにも大きく寄与するだけではなく、CM放映終了後に行われた弊社主催の製薬企業向けカンファレンスの来場者増加にも大きく貢献しました。
▼賀来賢人さんご本人にも発表会の様子を投稿いただきました。
▼国内最大規模の製薬企業向けカンファレンスを主催
また、”ユビー”という、指名検索のボリュームは実施から半年以上経った今でも、実施前に比べて数段高い形で推移しており、今でもReturnを産み続けています。
より詳しい内容については、toB/toCの横断マーケティングチームをリードしている林がnoteにまとめてくれていますので、よろしければ、あわせてご覧ください。
一方で、社名/サービス名の飛距離を意識したこともあり、「賀来賢人さんが指(ユビー)になっているだけのCM。」と見ることもできると思います。誰に対して、どんな独自価値があるのか(いわゆるWHO/WHAT)が弱くなってしまったかもと。これはオリエンや企画検討の際のフィードバックの精度にまだ弊社として改善の余地が大きいと言うことだと思っており、サービス名の認知獲得とユーザー様への提供価値のシャープ化の両立をもっと突き詰めていければと考えています。現状のユビーにおいて、明確に経験が不足している領域ではありますので、歴史や先達の方々に謙虚に学び、より良いマーケティングが実施できるように努めていきたいと思っています。
また、今回はテレビCMという、トップファネルへのリーチを重視した予算とリソースの投資を行ったため、ユビーをすでに認知いただいている方に向けて、ユビーの中で何ができるのか、どんな価値が、なぜご提供できるのか、と言う情報の提示が不十分だったかなと思っています。実は、ユビーは症状検索という入り口の体験以外にも、病気や薬の情報を詳しく知ることができたり、人間の医師に対して相談やオンライン診療ができるようになっていたりと、症状検索にとどまらない体験があるのですが、正直あまり知られていません。そう言った体験が提供できる価値を、どう世の中にお伝えしていくか、という点は今後の伸び代だと思っています。
来年に向けて考えていること。アプリマーケに関わるみなさま、お話ししませんか?
2024年12月、来年に向けて考えを巡らせているのですが、来年は、ユビーではないサービスやメディアの方々と、ユーザー様の困りごとを改善する体験を、横断で作れないかとぼんやり考えています。たとえば、我々が持っている、「今、どんな症状で悩んでいる方が多いのか、増えているのか。」というような情報を外部公開させていただき、ユーザー様への情報提供をサービス・メディア横断でさせていただいたりするイメージです。
例えば、
症状検索をした後に病院に行くことを決めた方に、移動手段をご提案したり
気圧が低い時に頭が痛くなってしまう人に、気圧以外の要因がないか調べてみないかご提案したり
こんなことが仮に出来るようになれば、ユーザー様にとって体験が隣り合ったサービスとなめらかに価値が提供できるのではないかなぁと妄想したりしています。
歴史を振り返ってみると、10年ほど前に私が働いていたソーシャルゲームの業界では、NoahPass、CroProといったゲーム同士の相互送客ネットワークがありました。今でもIPコラボなどがありますが、どんどん数が減っている印象があります。前述の2サービスも色々な事情があって撤退・縮小してしまいましたが、オープンなコラボレーションをしてユーザー様により喜んでもらおう、という志があったと思います。そういった類の取り組みを、小規模からでも始められないか、と考えています。
もちろん、アプリマーケティングのHOWとして、ウォールド・ガーデンの中で運用型広告の効果を追求するのはとても大切で、直接的なビジネスインパクト追求において重要なことに異論はありません。しかし、それで終わるのではなく、ユーザー様に有益な体験の提供がマーケター発信できないか中長期的な視点で模索していきたいなと思っています。
まずはユビーと相性の良さそうなサービス、メディアをお持ちの方々とまずは雑談ベースでディスカッションさせていただけると嬉しいです。
少しでもご興味持っていただけた方は、私までどうぞお気軽にご連絡ください。
X:https://x.com/tak1115s62
一緒に走ってくれる仲間を募集しています。
現在、ユビーでは、マーケティング系のポジションを全方位で募集しています。
現在、マーケティング関連でも様々な取り組みが走っており、toCマーケティングに限っても、医療DXの進展などマクロ環境の変化など2025年は今年以上のターニングポイントになりそうなタイミングです。
※toCマーケターの方に今、ユビーをおすすめしたい理由を書いてみましたので、よろしければご覧ください。
本noteを読んで少しでもワクワクした、自分ならもっと上手くやれる!と思った方はぜひ、上記求人からご応募いただくか、カジュアル面談の場でお話しさせていただけると嬉しいです。
ここまでお読みいただきまして、ありがとうございました。みなさま、2024年はどんな一年でしたか?
お身体ご自愛いただき、どうぞ良いお年をお迎えください。