目標は「語学教師」と「語学留学」をこの世からなくすこと。語学力向上のサポートはMECEに分類すると4種類で、これらの根本的見直しが必要
私は、「語学教師」と「語学留学」をこの世からなくしたいと思っている。少し過激かもしれないが、本当にそう思っている。
その理由を一言でいうと、リソースの最適化だ。より効率的な語学サービスが広がりより多くの学習者が成果を出してほしいから。そして、余った時間でより人間的で楽しい時間を過ごしてほしい、ということ。
「不要」の意味を正確に言うと、「語学教師」と「語学留学」が持つ機能の大部分は他の方法でより効率的に代替できるので、あえて様々なコストのかかる今の形式で行う必要はないということ。
(1)「語学教師」不要
語学教師がやっていることは、以下にMECE(漏れなくダブリなく)に整理できる。
1−1.目標設定と学習計画を教授する
1−2.その目標設定と学習計画とおりに学習を進めるサポートをする
1−3.学習計画に沿って実際に学習内容を教授する
2.変な癖がついたり誤解して学習が進まないようにサポートする
3.学習者が分からない学習内容を詳しく説明する(質問に応える)
4−1.毎回の学習において学習者の集中を学習に向かわせるサポート(短期的なモチベーション)
4−2.学習計画に沿っての学習を継続させるサポート(長期的なモチベーション)
そして、多くの「語学教師」がほとんどの時間を割いているのは、上記の太字部分1−1、1−2、1−3のところである。
重要なのは、この1の部分は付加価値があまり高くないということ。
これは、しっかりと毎日の学習レベルで落とし込まれた学習コンテンツがあれば解決できる。例えば、私は中国語学習においてこの1の部分を「中国語独学完全マップ」というコンテンツで完全に代替している。
なので、語学をサポートする側は2〜4の部分に注力すべきである。それなのに一般的な「語学教師」は1の部分ばかりやっている。或いは、そちらにリソースを割かれ、他の部分がなおざりになりがち。
そういう意味で、私は1の部分を中心に語学サポートをする人を「語学教師」といっており、そういう「語学教師」は不要だと考えている。
しっかりした目標設定と学習計画を作り込み、知識が豊富で、教え方がうまい先生が講義したものを録画していしまえば、1はそれで解決できる。動画を見ればいいのだ。ほとんどのそこまで優秀でない先生がする授業よりもより効果的だろう。
ただし、動画ではなくリアルの先生がいることが動画より明らかに優位なのは、4−1の短期的なモチベーションだ。目の前に先生がいて、学習者に語りかけれてくれれば多くの人はある程度集中するだろう。
しかし、そうでなければ集中できないような学習者は実際、学習にそもそも成功しない可能性が高い。なぜなら必要な学習時間のうちのほとんどは先生がいないところでなお、確保しなくてはならないからだ。
語学サポートをする人が、2〜4により集中できればより多くの学習者をサポートできる。そして、この部分はわざわざ学校など物理的な場所に行く必要はなく、オンラインで随時サポート可能なのである。
(2)「語学留学」不要
次に語学留学不要について。
語学留学(における語学学校)も同じく、1は優れた学習コンテンツを使い2〜4だけ行えばいい。というより、学習者は語学学校からではなくその2〜4を提供するサービスを使えばいい。
語学留学の機能は、先の1〜4の語学サポートの機能に加えて、
・四六時中中国語のインプットとアウトプットの環境に学習者が身を置けるということだ。これを「中国語環境」と呼ぼう。
・仲間がいる
の2つがある。
まず、「中国語環境」だが、これは旅行やインターン、仕事、放浪などその他の別の目的ありきで実現すればよい。
また、別の理由もある。このような「中国語環境」で語学力が伸びやすいのは、中上級レベルになってからだ。「中国語環境」の本質は、ランダムなインプットとアウトプットの強制だが、もととなる中国語コア能力がないと意味がない。
そして、仲間がいるというのは新しい人間関係ができ素晴らしいことであるが、何も語学学校に行くだけが手段ではない。今の時代、様々な趣味でサークルやコミュニティが存在しており、無料で参加できる。もし新しい出会いを求めるのであればそちらのほうが効率的だ。
まとめ
ということで、一般的な意味での「語学留学」は不要なのだ。
ということで、私は「語学教師」と「語学留学」をこの世からなくしたい。その真意は説明したように、今それぞれが語学力向上のために提供している機能は、別のやり方(動画コンテンツなど)で代替できるということ。そして代替できない部分2〜3部分は既存の「語学教師」とは全く違うサービスとして提供することで解決できる。
より多くの人がより効率的に、つまり効果的に且つローコストで語学を身につけその語学力をもってさらによい経験をしてもらいたい、本当にそう思う。「中国語独学完全マップ」はそうした世界の実現の第一歩。