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気になるマーケ手法:試してみる④<ブランド態度>ブランド価値簡易測定”これがいいブランド、これでいいブランド”

ブランド価値測定の重要性と課題

ブランドは、企業にとって自社の成長と安定を支える資源・資産であるだけでなく、消費者にとっても情報洪水の中で商品やサービスの選択を助け、さらには自己表現や自己実現のパートナーともなるものとして、その重要性が高まっている。

そのため、多くの企業で、ブランド価値をモニターし企業活動に反映することを始めているが、ブランドが無形の価値と言われることもあり、その価値測定は、認知~知覚品質~イメージ品質まで多岐に渡り、まるで人間ドッグのような大掛かりなものになっているのが現状である。

簡易型ブランド価値の可能性

人間ドッグは、時間も手間もお金もかかり、なかなか気軽にできるものではない。健康診断の世界でも「血液による簡易検査キット」のようなものが登場し需要が高まっているが、ブランド価値測定についても、簡易検査キットのような仕組みがあれば、定期的にモニターし、アラームが出たら詳しく調べるといったブランドマネジメントが可能になるではないかと考えている。

そこで、商品を買う/選ぶ時の気持ちにフォーカスし、商品(銘柄)へのこだわりとして、「○○が、いい」という気持ちで選んだのか、「○○で、いい」で選んだのかという積極的選択/消極的選択といった、気持ちでブランドへの態度を測定することで、ブランドの強さを測定できないかという仮説を持った。対象とするのはFMCG(Fast Moving Consumer Goodsの略で飲料、食品、化粧品などの比較的短期間で消費される製品(日用消費財)のこと)とする。調査設計は下記の通り。

ブランド調査

ペットボトル飲料でのプレ調査結果

数年前に、大学の授業中に実施したアンケート結果が下記。全体としては、6割弱が「○○が、いい」と選んでいるという結果。銘柄別には大きく差が出ており、”お~いお茶”は「○○で、いい」約75%となっており、他の銘柄と比較するとやや消極的な選ばれ方をしていることが見えました。

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ただ、学生から「どれでもいい」って気持ちもあるのでは?とか、「これしか選ばない、これだけ!」って選び方もあるという意見が寄せられた。

評価基準の改良

「○○が、いい」「○○で、いい」に、「○○じゃなきゃ、ダメ」「どれでもいい」を加えて、4水準に。

4水準

再度、学生アンケート実施

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まず、食パンとティッシュペーパーとしうカテゴリー間の比較を見てみる。

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予想以上に、2カテゴリー共、(学生にとっては)コモディティ化している事に驚いた!ブームと言われている食パンでも45%以上が、ティッシュペーパーでは65%以上が「どれでもいい」と選んでいる。自分で購入する率が両商品とも2割台であることも影響しているかもしれないが、自購入者も「どれでもいい」比率が高く、そもそもこのカテゴリーへの関心は低い??

食パン:銘柄別ブランド態度比較

食パン

食パン銘柄別にみると、全体と比べて、ブランドへのこだわりた強い態度を持っているのが「フジパン・本仕込」「専門店の食パン」であった。

ティッシュペーパー:銘柄別ブランド態度比較

ティッシュペーパー

ティッシュペーパーは全体的に、どの銘柄も大きな差が見られず「どれでもいい」という選ばれ方が多い傾向である。鼻炎用の保湿型商品を入れていないなども影響しているかもしれないが、学生にとっては、差の小さな商品群となっているのかもしれない。

考察

選ばれ方の指標に「どれでもいい」を入れることで、カテゴリーのコモディティ化をよりビビットに反映することになったかもしれない。日用品が非常にコモディティ化している事を懸念させる結果であり、若年層は、どんなジャンル/カテゴリーにこだわりを持っているのか、さらに詳しく調べてみたいと思う。今後も検証を続けていきたい。

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