丸山泰

日用品メーカーでマーケッターとして働いた後、大学でマーケティングを教える教員をしています。マーケティングとは、「人を気持ちよく動かす”仕掛け、仕組み、考え方”」であると定義しています。”人を動かす”文章は書けませんが、自分が動かされた本やヒト、コト、ものについて、書いていければ。

丸山泰

日用品メーカーでマーケッターとして働いた後、大学でマーケティングを教える教員をしています。マーケティングとは、「人を気持ちよく動かす”仕掛け、仕組み、考え方”」であると定義しています。”人を動かす”文章は書けませんが、自分が動かされた本やヒト、コト、ものについて、書いていければ。

マガジン

  • マーケのツボ

    マーケティングの実践につながる、発想の視点や考え方のポイントなど、をこれまでの経験や市場から感じたことをベースに整理していきたいと思います。

  • maru's読書の棚

    読書記録です。

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  • マーケティング手法、検証してみた

    大学の授業アンケートなどを使って、マーケティングの手法や法則について、検証してみたいと思います。

最近の記事

コスパの”ストロング系”とタイパの”3.5%ビール”

2023年10月発売で、結構流行っているのが「アサヒスーパードライ ドライクリスタル」。アルコール度数が低い3.5%のビールである。 飲み心地はいつものビールと変わらず、アルコール度数はやや低いので、適度なほろ酔い感覚で、自身も気に入って飲んでいる。 アルコール市場に新しい風が吹いてきそうな予感を感じている。 そう思って、振り返ると、数年前までは強アルコールブームではなかったか? ”ストロング系”と呼ばれるチューハイが市場を占めていた記憶がある。 ここに、人々の生活意

    • SNSマーケは”BUZZバズる”より”PUZZLEパズれ” 

      熊本県内の成功事例を2例とともに、地域の地域による地域のためのSNSマーケティングの方向性について考えるセミナーを開催した。定員45名満席となり、関心の高さを実感した。その概要を紹介する。 マスメディアからのシフト(SNSの台頭)  上図のように、この20年で日本の広告界(プロモーション業界)は大きく変動している。4大マスコミ⇒インターネット広告へ大きくシフトが起こっているのだ。このインターネット広告と今回取り上げるSNSマーケティングとはどんな関係にあるのか? ちょっと

      • 実務家研究家有志で本を書きました!

        地域活性学会のメンバー有志でそれぞれの分野での研究成果を持ち寄って本にしました。「地域活性化未来戦略」です。 目次 Ⅰ 地域活性化政策はどこに向かっているのか Ⅰ-1 地域活性化未来戦略(斉藤 俊幸) Ⅱ 今、できることは何か Ⅱ-1 人口減少時代の自治体組織の活性化(市田 明子) Ⅱ-2 移住促進は逆転の発想で地元の“ 縁” 者を狙え!(丸山 泰) Ⅱ-3 個の確立と主体性を重視した移住政策はこうして作れ!(大友 和佳子) Ⅱ-4 対話を重視したオガールが示す公共空間の意

        • 現場で使えるリサーチが知りたい!と思ったらこの本!「電通現役戦略プランナーの『調べ方』の教科書」

          マーケティングリサーチって、専門的になればなるほど、現場や上司は??って顔をするし、なかなか理解してもらえない。アウトプットを会社の戦略会議やクライアントへの提案会議で使う事を徹底的に意識した手法方法を知りたいければ、この本が最適です!

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        記事

          ビジネスで調査リサーチを実施する立場で学ぶ事が分かる本!「マーケティングリサーチの論理と技法」

          メーカーや流通のマーケティング部門で、調査やリサーチを担当することになり、課題解決につながるリサーチを実施したい、調査会社の専門家と対等に渡り合ってよい調査にしたい、そう思った時に、読むべき、携えるべき本がコレ! 「マーケティングリサーチの論理と技法(第4版)」 普通に調査をまじめに学ぼうとすると、統計学からスタートし、かなり専門的な広大な世界に迷いこんでしまう。すぐ、明日から仕事をしなくてはいけない。とはいえ、最低限の知識やスキルがないと、間違ったリサーチを行ってしまって

          ビジネスで調査リサーチを実施する立場で学ぶ事が分かる本!「マーケティングリサーチの論理と技法」

          ”マーケティングって何”って思ったら、まずこの本!「マーケティングの革新」

          マーケティングって何から始めたらいいの? 広告宣伝、販売促進、商品企画、プロモーション??? もちろん、それらはマーケティングの大事な手段、手法です。でも、目的や意義をわからずに手段や手法から手を付けると痛い目にあいます。 マーケティングとは、商品・サービスとお客様との大きな関わり合いを考える事、「我々が提供しているものは、本当のところ、何なのか?」を問う事です。 私にそのことを教えてくれたのが、セオドア・レビットが1960年(私が生まれた年です)に書いた「マーケティング

          ”マーケティングって何”って思ったら、まずこの本!「マーケティングの革新」

          新しいブランドのつくり方(宣伝会議23.9.)

          新しいブランドのつくり方(宣伝会議23.9.)

          ”動的体系で見る”「よみがえる戦略的思考」佐藤優著

          国際的な国家間関係を読み解くに、「価値の体系」「力の体系」「利益の体系」という3つの力の総合的な関係性から見る必要があると著者と説く。 民主主義対全体主義といったイデオロギーで見る「価値の体系」、国力の差という現実路線で見る「力の体系」、そしてエネルギーのやりとりという損得勘定で見る「利益の体系」、複眼的に見ないと国を誤ると主張する。 太平洋戦争は、肥大した「価値」の体系が「力」「利益」の体系を抑え、開戦に至り、ウクライナ戦争もまた、一つの視点に偏ることで膠着しているのか

          ”動的体系で見る”「よみがえる戦略的思考」佐藤優著

          日用品マーケッター受難の時代?!

          ~何も考えたくないニーズ(無関与の時代)~ 久々の投稿です。最近、ライオン(株)の「スーパーNANOX自動投入洗濯機専用」という新製品のTVCMを見て少し衝撃を受けたので、その事を書いてみようと思います。 この新製品は、最近の洗濯機に合わせて、計量の手間いらず、数か月も継ぎ足しもいらないという、省力化ニーズに対応した優れた商品である。洗濯は機械と剤の共同作業であるから、機械の進化に合わせて剤も変わる、これは定石のマーケティングである。 だが、このことは、お客様の頭の中から

          日用品マーケッター受難の時代?!

          ”科学とは現象を上手に説明できる同一性(構造)を追求する営み”note117「学問としての教育学」苫野一徳著

          教育に携わる身として、教育を学問として正面から見据えたことがなかったので、改めて教育とは何かを考える機会となった。 苫野氏がこの本を書いた目的は3つあると述べている。(1)教育の本質およびその正当性の原理(つまり、教育とは何か、それはどうあれば「よい」と言えるのか)を解明する<哲学部門>、(2)社会科学としての教育学の「科学性担保の理路」「科学的価値の原理」を解明する<実証部門>、(3)実践学としての教育学を”役に立つ”ものとする理路を解明する<実践部門>、こととし、そのた

          ”科学とは現象を上手に説明できる同一性(構造)を追求する営み”note117「学問としての教育学」苫野一徳著

          ”マーケティングと脳科学の両方に詳しくならねばならない”読書note116『「欲しい!」はこうしてつくられる』マット・ジョンソン&プリンス・ギューマン著

          この本は、いわゆる消費者行動研究や行動経済学に基づく、”人を動かす”ポイントを様々な角度から紹介してくれている。神経科学者のマット・ジョンソンとマーケターのプリンス・ギューマンがタッグを組んで書いている。 1.食べているのはメニュー(つまり、情報) 人はパテとドッグフードの区別をつけられるか?という実験結果は、ドッグフードを当てられた人は一人もいなかった。 白ワインに食紅を加えて赤くした赤ワインと白ワインの2種類をソムリエに感想を求めたところ、にせの赤ワインについて本物の

          ”マーケティングと脳科学の両方に詳しくならねばならない”読書note116『「欲しい!」はこうしてつくられる』マット・ジョンソン&プリンス・ギューマン著

          ”Fast, Fair, Fun”読書note115『まだ誰もみたことのない「未来」の話をしよう』オードリー・タン著

          初めてオードリー・タンの書いたものを読んでみました。 彼はITとデジタルを明確に分けて考えています。 彼が台湾でデジタル担当大臣として推進しているミッションの一つが「オープンガバメント(開かれた政府)があります。 これが、政府におけるデジタル化=人と人をつなぐことなのですね。 デジタル化の成功の秘訣を彼は3つのFで表しています。 「Fast(速さ)」「Fair(公平さ)」「Fun(楽しさ)」 とても重要なキーワードですね。特にFunがポイントな気がします。 彼は、

          ”Fast, Fair, Fun”読書note115『まだ誰もみたことのない「未来」の話をしよう』オードリー・タン著

          ”人を説得する手法”読書note114「基礎からわかる論文の書き方」小熊英二著

          理系でも文系でも、どの学問体系にも共通する「論文の型」を紹介することを目指した本である。学生に卒論指導をする立場として、改めて、いろんなことを考え学ぶきっかけとなった、気がする。 1.主題と対象 まさに、主題と対象、学生が論文のテーマを考える際に迷ったり悩むポイントであり、ここを最初に理解することが重要なのだと再確認できる。 2.リサーチデザイン 方法論はレシピであると、「何かを作るための一連の手続きを記述したもの」と考えると分かりやすいと解説している。 3.推論の

          ”人を説得する手法”読書note114「基礎からわかる論文の書き方」小熊英二著

          ”心に怪物を飼え。決して安定するな。”読書note113「人間ってなんだ」鴻上尚史著

          この本は、鴻上尚史が「SPA!」で連載していた「ドン・キホーテのピアス」から厳選されたエッセー集だそう。(あと2冊位出るって書いてある) ここでも出てきたエンパシー能力。まえがきで登場。エンパシーとは「相手の立場に立てる能力」とあります。シンパシーが「同情心」とされており、エンパシーは、心ではなく能力=身に付けられる技術ということになります。シンデレラの継母は、どうしてあんなにひどいことをシンデレラにしたんだろう?」という質問に、ある女子生徒は「一人、除け者を作ると集団はま

          ”心に怪物を飼え。決して安定するな。”読書note113「人間ってなんだ」鴻上尚史著

          “天草産レモン味「夏ポテト」限定発売”駅伝型6次産業で地域発の商品化

          数年前に携わった「天草ならではの付加価値商品開発」プロジェクトで検討した、地域の特産品を1.5次産業を起こして使いやすく加工して、次工程(2次産業や3次産業)へ接続するというアイデアを、その後地元で実現すべく起業したKittoo社の天草レモンピューレを使ったポテチが日本を代表するメーカーカルビー社から中四国・九州・沖縄限定で発売された!! 駅伝型でつなぐ6次産業化の考え方はこうだ! 原材料から加工-流通という通常の産業工程の流れがあるが、地域ではいい素材はあっても加工ができ

          “天草産レモン味「夏ポテト」限定発売”駅伝型6次産業で地域発の商品化

          “正解がいくつもある時代”読書note112「新失敗学」畑村洋太郎

          は、あの「失敗学」の畑村先生の新刊だったので、即買い即読破! 失敗学は、失敗をちゃんと研究分析して、学び生かす事を提唱する本だったと記憶しているが、今回は、“よい失敗”に積極的に挑戦するための考え方や心構えが書かれていて、VUCAの時代の生き方を示唆してくれている。 最後に、記憶の減衰について語られた部分が印象的だった。人は3年、組織は30年、地域は60年、社会は300年、文化も1200年位で「なかったこと」になってしまうと。

          “正解がいくつもある時代”読書note112「新失敗学」畑村洋太郎