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小さな頃から英語を勉強すると日本語ができなくなる!?
今回の対談では、英語教育に精通する吉澤眞理(よしざわまり)先生をお迎えし、幼少期からの英語教育の重要性について語り合いました。吉澤先生は幼稚園児から社会人まで幅広い層を対象に英語教育を行っており、そのユニークなアプローチと哲学が注目を集めています。対談相手は安河内哲也(やすこうちてつや)です。この対談を通じて、英語学習のベストなタイミングや進め方、親御さんが抱える悩みに対する答えを深く掘り下げました。
安河内哲也(以下、Y):
吉澤先生、英語教室を運営されているとのことですが、どのような教室ですか?
吉澤眞理(以下、M):
はい、幼稚園生から社会人までを対象にしています。それぞれの年齢に合わせた方法で楽しく学べるよう工夫していますよ。
Y:
幼稚園生から社会人までですか!僕は高校生や大学生、社会人を教えることが多いので、その辺りはある程度詳しいつもりですが、小学校低学年や幼稚園児に教えるのって難しいですよね。特に親御さんから「英語はいつから始めたらいいの?」とよく聞かれるんですけど、先生のご意見はいかがですか?例えば、生まれたばかりの赤ちゃんを育てる中で英語を取り入れるタイミングとしてベストなのは?
M:
あくまで私の意見ですが、ベストタイミングは年少(3歳)から、できれば年中(4歳)くらいが良いと思いますね。その頃には、ある程度じっと座っていられる集中力が身についている子も多いですから。
Y:
なるほど。年中くらいだと、まだ日本語もたどたどしい時期ですが、そのタイミングで英語を始めることで混乱したりしませんか?
M:
しないですね。むしろ、日本語と同じように英語を自然に吸収していきます。面白い話ですが、幼稚園で入会面接をしたとき、先生に「この色、何かな?」と聞かれて、子どもが迷わず「yellow(黄色)」と答えることがあります。それくらい自然に英語と日本語が混ざることもありますね。
Y:
英語と日本語が混ざることに対して親御さんは不安を感じたりしませんか?
M:
最初は心配する方もいますが、後になってちゃんと分かれていきます。例えばス
イスに住んでいる子どもたちは、3カ国語以上を話せる場合もありますよね。でも日本に住んでいると、どうしても日本語が主導権を握るので、心配しなくても大丈夫です。
Y:
なるほど。小さい頃に英語を始めると、英語学習が楽しく感じられるのも良いですね。例えば命令文や進行形は、3歳から5歳くらいの子どもがよく使う表現ですよね。「走ってる!」とか「食べた!」とか。これが中学生になると、頭で考える文法とズレてきてしまうこともありますから、小さい頃から始めるのが効果的なんですね。
M:
その通りです。小さい頃に始めると、身近な現在形の表現が自然に身につきますし、言葉を覚える楽しさもあります。年齢が上がるとテストや受験のプレッシャーが出てきて英語を嫌いになる子もいますが、小さい頃から始めるとそれも防げます。
Y:
確かに。では、英語嫌いにならないためにどのように指導されていますか?
M:
子どもたちをたくさん褒めることですね。それも「今の発音、すごく上手!」のように具体的に褒めると子どもたちは喜びます。それと、「もう一回言ってみて」と頼むと得意げに繰り返してくれますね。
Y:
素晴らしいですね。ちなみに、小学校5年生くらいで英検を受けるべきだと思いますか?
M:
親御さんが満足するなら受けさせても良いと思います。ただし、「英検に合格しなさい」とプレッシャーをかけると英語が嫌いになる可能性もあるので注意が必要です。無理をせず、楽しみながら勉強するのが一番です。
Y:
確かに、英検は失敗してもまた受ければ良いですからね。子どもはそこまでデリケートではないし、むしろ「落ちて悔しい」という経験が成長の糧になりますよね。
M:
そうですね。英検はあくまで一つの目標であって、結果に一喜一憂する必要はありません。特に2級以上は価値がありますが、それ以下は練習の延長として楽しむ感覚で受けるのが良いと思います。
Y:
最後に、英語教育に悩む親御さんに向けてメッセージをお願いします。
M:
英語は所詮、言語です。大切なのはテストや資格ではなく、どんな場面でも対応できる「総合力」を育てることです。楽しく学びながら幅広い能力を身につけることが、将来的に役立つと思います。焦らず楽しんで取り組んでください!
吉澤先生の対談を通じ、幼少期から始める英語教育の重要性が改めて浮き彫りになりました。楽しく学ぶこと、親が焦らないこと、そして子どもの自然な吸収力を信じることが成功の鍵だと感じました。また、英検を含む資格試験は目標設定として活用するに留め、楽しさを優先するべきとの指摘も納得のいくものでした。英語教育に悩むすべての方にとって、参考になる内容だったのではないでしょうか。
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