イーロンマスクのメールに込められた「自分ごと化」の重要性
イーロンマスクがテスラ社員送った社内コミニケーションに関するメール。
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20180317-00212417-toyo-bus_all&p=1
"テスラにいる全員が、誰にメールしても会話しても構わないし、またすべきなのです。企業全体の利益のために、自分が考える最速の解決方法をとるべきです。
上司の許可なく上司の上司に相談しても構わないし、別の部門のトップに直接相談してもいいし、私(*イーロン・マスクCEO)に相談してもらっても構わない。誰かと話すことに誰かの許可は要らないのです。さらに、問題が解決されるまで、自分にその義務があると考えるべきです。"
組織内外の情報コミュニケーションの流れをどう設計するかは、世の中の流れを組織に取り込みながら創造を加速させていくために非常に重要な問い。
情報の質はやりとりがなされる人同士の関係性により大きく規定されるので、
情報の流れを適切にリ・デザインすることは、組織で既成概念となった物事やみてみぬふりをされてきた違和感が新しい言葉やストーリーとして語り直される可能性を秘めている、という点で実は結構レバレッジポイントだったりする。
実体験ベースとしても、例えば、普段の業務では接点の少ない、マーケットに対して異なる接点・視座を持つチームを仕込むことで、既存の商品開発のプロセスが抱えていた課題を乗り越えたり、現場とマネジメントそれぞれの視点をフラットに共創の場に呼び込むことで、新たな組織ビジョンが生成されたりということが起こりやすい。
そして、何より最後の一文。
”問題が解決されるまで、自分にその義務があると考えるべきです”
指揮系統型の組織では「取り組むべきことが自分ごと化できない」という課題が特に起こりやすい。
新しいものを生み出すには熱量が必要なので、オーナーシップが持てず他人事の意思決定がたらい回しにされるような環境では難しいわけだが、そうした環境を作らない、つまり、意義を自分ごと化していきやすい組織環境をいかにつくっていくか。というのがリーダーにとっての大きな命題。
イノベーション型のプロジェクトにおいて、
個人が持つ違和感や内的動機を引き出していくプロセスが重要なのは、
輪郭のはっきりしないビジョンを少しづつ具現化していくことで、
「これは自分のミッションだと腹をくくっている一人でもいるか」という成功の絶対条件を生み出すためだし、
思いとオーナーシップを持って関われる機動力のあるチームを生み出すためなのだ
というのがここ数年の実感。