緑とサヴィニャック作品のある空間で
猪原金物店の空間を楽しんだ。そして、その空間はまだ
奥へと続いていく。辺り一面に並べられた道具の先に
あるカフェの空間。ここには茶房&ギャラリー速魚川
が併設されている。まだ、お昼前でランチには早いが、
ひとまず茶房とギャラリーの空間を味わいにいこう。
近藤さんは、趣味が高じて、サヴィニャック作品
を島原半島の各所に展示する活動をされている。
特定の地域に、これだけのサヴィニャック作品
が密集している場所は世界でも珍しいという。
NAGASAKIフォトリップでも紹介される猪原金物店
ひょんな所でサヴィニャックのポスターと出会った。
そこはサヴィニャック街道。以前、通りがかった諫早
図書館も含まれている。今度は、どこでそのポスターに
会えるだろうか。旅をするほどに目的地が増えていく。
猪原金物店には不思議で、とても心地よい空間がある。
従来の金物店にとらわれないその形に、新しい何かが
生み出される力を感じる。コンセプトとされる言葉は、
こだわって本物、使って一生モノ。そこでは研ぐという
ことが視覚化され、刃物や道具は研いで修復して使い
続けるという、物語性の提示が重要と考えられている。
物語性の提示という言葉に、ものの裏側にある関係性
やつながりについて考えさせられる。また、店主は
ある講演会でこんなこともおっしゃっている。「人間
は切実で魅力のある目的の為なら手段を択ばない。」
昔ながらの建物の佇まい、龍の鏝絵が描かれた外壁、
地下110mからの湧水が育む緑の空間、研ぐという
物語性を帯びた金物の数々、サヴィニャックと中庭、
美味しそうなスイーツのある茶房。ないものをねだる
のではなく、あるものから魅力が作り出されている。
まだ旅も序盤だ。心地よい空間に、うしろ髪をひかれ
つつも、お店を後にする。さあ島原を存分に楽しもう。
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