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岡山県庁舎に見るこだわりのデザイン
岡山県庁舎 1957年 設計 前川國男
前川國男の仕事という書籍に、
「足元部分に1層を追加する修正に
よって、特徴である玄関庇が高めになって
プロポーションが損なわれたため、
竣工時には建築雑誌に発表されなかった」
との記載があった。
思い返すと、アプローチの庇を含む
外観の写真をあまり撮っていない。
意図しない形に出来上がってしまった
という感じを受けたのかもしれない。
そこに、いろんな葛藤があったことが想像できる。
それでも散りばめられたこだわりのデザインにより
この建物の設計への思いを感じとることができる。
建物の奥に配置された、光のたまりとなる中庭。
来る者を出迎えるように置かれた巨大なリング。
光により陰影が際立つ折り紙のような外壁。
コンクリートとタイルのリズミカルな組合せ。
シンプルで明快な構成の中にも、
変化をもたせたデザインが心地よい。