見出し画像

その建物は彫刻のまちで生み出される作品の器となって

旅の最後の朝。早朝の散歩の途中に


通りがかった井波彫刻総合会館。宿に戻って朝食を
とり、あらためて家族みんなで建物を訪れた。日本
遺産にも認定された井波のまち。井波で生み出された
様々な彫刻作品が、その建物の中にも展示されている。


井波といえば日本一の木彫刻のまちで
日本遺産にも認定されて。写真撮影も可能とのことで、
いつものように写真とともに。内部は変化のある空間で
構成は館内の案内図でよくわかる。通路状につながる展示室に
並べられた井波の木彫刻。井波は瑞泉寺の再建に端を発し
寺院を装飾する彫刻から、現代的な彫刻まで幅広く

宿泊した宿でもその美しい彫刻にふれて

一本の木から掘り出される彫刻には生命感があふれていて
様々なのみによって、線の連続はやがて面となり
仏像の穏やかな表情や、やわらかな雰囲気に
また迫力のある龍の彫刻の隅々にまで
彫刻は透かし彫りにより立体的で、さらに繊細に
木の目まで計算されて彫られた天神様
しなやかな曲線を描く現代彫刻のような作品も。作者の

前川正治氏は様々な作品を前川 大地氏と共に

祈りを捧げる女性の彫刻の頭には水車小屋。現代的な
コンセプトをもつ作品も展示されて
また井波といえば欄間の彫刻。その繊細さや立体感に驚いて

神戸にある竹中大工道具館では企画展も

また木の彫刻を生み出す大工道具も見に行こう

井波西別院旧本堂に設置されていたという象の木鼻の展示も
その上部には目を見開いた獅子と象の木鼻
寺院で目にする蟇股も、彫りが深く立体的で
波の飛沫の上には迫力のある龍亀
館内の質の異なる光。見上げると天井にはトップライト
建物は分節化されて、寺院の伽藍のようにより集まって
特徴づけられた建物の形状も気になる所で。中庭をすぎて
また館内の龍の彫刻もたどりつつ

旅先で出会う龍のモチーフとも比較したり

木によって表現される柔らかな曲線は水や火や布のようにも
そして最後の展示室には、彫刻をまとうギターや
お雛様に兜や少女に獅子頭。様々な彫刻を楽しんで
表面の木目もデザインされていることに驚いたり
木彫の少女の像に、街で見かける銅像のことも思い出したり

光を帯びる銅と、木の素材感の違いも楽しんで

建物の外には1999年の国際木彫刻キャンプにて、143名の
井波の彫刻師の方の合作で作られた十二支の作品
井波彫刻総合会館の看板の下は巨大な龍の彫刻も

分節化された建物は様々な形で外観と内部を構成する

併設された道の駅の施設にも少し立ち寄って

日本遺産に認定された井波のまち

高岡の街にも日本遺産。それぞれの場に流れる歴史や

物語にもふれながら、受け継がれる風景の中へ

また井波彫刻を海を越えて沖縄へも


1993年に建設された井波彫刻総合会館は、イギリスの
建築家のピーター・ソルター氏により手掛けられた。
あらためて平面を見ると、その複雑さが際立っている。
ただ建物は背景となり、井波のまちから生み出される
彫刻作品の器となる。今回の旅で、井波というまち
の存在と、そこに流れる歴史と、未来へとつながって
いく風景にもふれた。日本一の木彫刻のまちの井波。
次にはそのまちの原点ともなった寺院へと向かって。



いいなと思ったら応援しよう!