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ミュージアムへのいざない。アートだけではない楽しみがある

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入り口までの期待感や周りの風景を取り込んでいること、アートの展示だけでないミュージアムの魅力。アートとよい関係をもつミュージアムに物語を感じる。素敵なミュージアムを求め旅に出よう。
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2023年1月の記事一覧

ダイナミックな展示がある科学館

大牟田を小さな自転車でまわる旅。そろそろ日も傾き つつある。三井港倶楽部を後にして、次に訪れたのは 大牟田市石炭産業科学館。炭鉱をめぐるルートの旅の 最後の施設へと、閉館までにたどりつくことができた。 建物は大きな円に形作られ、屋上にガラス張りの空間。 シンメトリーの大きな階段の間からエントランスへ。

感性によびかける建物や空間

新しい建物は個性的なものもあるが、スマートで洗練 されていて、その時代の空気を映していると感じる。 能登島ガラス美術館を設計した建築家の毛綱毅曠氏 は、形而上の概念を建築にあてはめることに意欲を 燃やしたという。合理的で機能的な建築に意を反する ポストモダンの時代、毛綱毅曠氏の建築は異彩を放つ。 そして同時代の建築家の六角鬼丈氏が設計し、1980年 に建てられた宗教施設も、感性によびかける建築だ。 六角鬼丈氏の設計といえば宮城県の感覚ミュージアム が思い出に残っている。

七尾湾を見下ろす丘に建つ美術館

石川県能登島ガラス美術館は1991年に本館、1998年 に新館が建てられた。ここも前回の玉名の旅で訪れた 玉名市立歴史博物館と同じ毛綱毅曠氏の設計である。 以前に、その美術館を訪れた時は雨だった。七尾湾に 面した小高い丘の上に建つ美術館。建物の回りの至る 所にガラスの屋外彫刻が展示され、建物の外も楽しい。 晴れていれば、建物の回りを散策し、海や雲や山並み、 ガラス彫刻が作る光と影の風景も楽しめたに違いない と思う。またいつか石川県を訪れる際は訪れたい建物。