Pantone Color of the Year2022とマトリックス レザレクションズ
今年もあと1週間、いよいよ年の瀬ですね。大掃除に年賀状にM1に、、そう、Pantone Color of the Yearの季節になりました。
12月16日にPantone Color of the Year 2022が発表されました。
昨年2021はUltimate Gray(グレー)とIlluminating(明るい黄色)と初めての2色同時選出となり、実用的でありながら暖かみがある楽観的な印象を作り出し、不屈の精神に支えられたポジティブなメッセージが表現されました。
これは現代社会が初めて経験する世界的パンデミックという将来が予測不可能な世の中はもやは、1色で表現することはこれまた不可能であったことを表していたと思います。
昨年は2色同時選出でしたが、Pantoneによると今年のVery Periはブルーと赤みの性質を混ぜた色であるとのこと。ブルーは落ち着きを与え、赤は元気や興奮を呼び起こす正反対の色であり、より複雑な世相を反映していると言えます。
2色より、2色混合させた1色を選出することがより複雑な印象を与えます。
グラフィックアーツに長年関わってきた私の感覚としては、マゼンダを落としてより紺色に近づけるか、シアンを下げて淡いピンクにしたい衝動にかられ、どこか落ち着かない印象を受けます。これはまさに元と同じ世界がそのまま戻るわけではないという、予測困難なアフターコロナへの適応という我々の挑戦を意味していると感じます。
2つの色が1つの色を表しているいることは、我々が今まさに直面している物理生活とデジタル生活の融合をほのめかします。この2つの概念は人同士のつながり方の選択であり、パンデミックが収束しても、我々はこの物理とデジタルという2つのコミュニケーション方法を選択して受け入れ受け入れていくことを求められ、これがまさに挑戦であると私は思います。
完全物理世界はインターネット以前の世界であり、インターネットの普及に伴い、私たちの生活は少しずつデジタルに置き換えられてきました。
まずはeコマースにより取引がデジタル化され、次第に取引される製品自体もゲームや音楽や映画を皮切りにデジタル化され、デジタル取引でデジタル製品を扱うようになりました。また通貨近い将来仮想通貨に置き換えられることが予想され、さらにメタバースバースという仮想空間にアバターとして参加して、他者とコミュニケーションするという想像を超えた世界が近づいています。
この仮想化の流れの究極は映画マトリックスの世界だと私は思います。人間のすべての活動が仮想世界の中で行われ、その仮想世界の中にいると言うこともそもそも分かっていない、、しかしそんな世界が人間の未来として明るいのでしょうか??
私はそうは思いません。
インターネット以前の完全物理生活とマトリックスの究極デジタル世界の中間点に、私たちが目指す世界があると思います。その中間点とは物理とデジタルの力の作用のバランスが取られたポイントであり、生活の場面ごとに選択することが必要です。
あなたは近くにいる大切な人とのつながりをデジタルに置き換えたいですか?また遠くにいる人々とのコミュニケーションを諦めたいですか?
いらん御託を並べてしまし大変失礼しました。私がここで言いたいのは、色1つとってもこれだけ語ることが出来るということです。
みなさんそれぞれの捉え方があると思います。この色でいろいろ思い浮かべ来年に思いを巡らせるのもいいかもしれません。
この時期ににマトリックスが18年ぶりに新作レザレクションズが公開されることは興味深いですね。
もともとこの映画のストーリーは機械が人間の能力を超えて、人間が支配されるという恐怖をテーマとしています。
しかしここで作り出されるメタバースの究極であるマトリックスが、私にとって一番興味のあるテーマとなりました。そんの点に注目して見てみるのもいいかもしれません。