『NINAGAWA・マクベス』の感想
『NINAGAWA・マクベス』を見た。
□オフィシャルWeb
http://ninagawamacbeth.com/
当然と言われるかもしれないが素晴らしかった。
蜷川幸雄さんの追悼公演でもある今作は、2015年に上演されたものの再演だが、観たのは今回が初めて。
昨年、ドラマ『絆』でご一緒した田中裕子さんが出演されていて、そういう意味でも期待していったが、いやはや素晴らしかった。
何度か観てストーリーも知っている「マクベス」だからこそ、蜷川さんの演出の素晴らしさが逆に浮き彫りになった気がする。
舞台自体が、仏壇を模した大枠の中で展開され、位牌を覗き込むような感じで物語を観賞する。
その意味でも、最初から最後まで舞台上にいる老婆は「能」のワキ方のような存在と言えるだろう。
「三人の魔女」は歌舞伎スタイルになったり、「バーナムの森」が、桜の木で表現され、紗幕越しに降る桜吹雪など、様々な演出が素晴らしかった。
既に香港公演なども大盛況だったと聞いたが、10月のロンドン公演でどんな反響があるか楽しみだ。
そして田中裕子さんが本当に素晴らしかった。「絆」がそうであったように、どちらかというと微細のお芝居が魅力のように思われている気がするが、今回の田中裕子さんの迫力は本当にすごかった。圧倒されるものがあった。
ちなみに、終盤、サミュエル・バーバーの「弦楽のためのアダージョ」が繰り返しかかる。
この曲は大好きな曲で一層、物語に入り込めた気がする。
下記はYouTubeから