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エンゲル係数の急上昇で問われる日本人のライフスタイルの再考

以前にも、エンゲル係数の上昇について記事に書きました。

11月17日日経新聞「チャートは語る」では、この日本のエンゲル係数がG7で断トツトップであること、そしてさらに増加傾向にあることが示されています。他国の支出構造の違いから単純比較することは避けるべきとしていますが、それでも私たち日本人のライフスタイルの変革の必要性が述べられています。

エンゲル係数の上昇、その背景とは?

エンゲル係数の上昇の背景には複数の要因があります。

物価高騰
食材の値上がりが家計に大きな負担をかけています。特に庶民的な食品ほど値上がり率が高く、例えばイワシの価格は5年前の1.9倍となっています。

高齢化の進行
高齢者の増加により、可処分所得が限られた中での支出が増え、エンゲル係数を押し上げています。

女性の社会進出と時短需要
女性の正規雇用率がこの10年間で大幅に上昇する中、仕事と家事を両立させるため、割高な中食や総菜への依存が増えています。家計調査では、食費に占める中食の割合が15.8%と、10年前から3ポイント上昇しています。

ライフスタイルの変化と未来への課題

エンゲル係数の上昇は、単なる生活費の増大を示すだけでなく、日本人のライフスタイルそのものを問うているといえます。記事では、効率的な働き方や自炊を楽しむ余裕を持つことが、生活の質を維持する一助になると指摘しています。

効率よく働き、短い時間で十分な所得を得られる環境が整えば、時間的な余裕が増え、食費の負担も軽減されるでしょう。日本の高い労働時間と割高な中食への依存は、働き方改革と食生活の再考を進める必要性を示しています。

私たちにできることは?

日本人が抱えるもう一つの課題、先進国中で安い平均賃金の解消も抱える中で、私たち日本人はライフスタイルおよび仕事に対してどのように取り組むべきなのでしょうか?以下のような具体的な行動を上げてみました。

  • 無駄のない食材購入
    日本が抱えるもう一つの課題「フードロスの解消」。利便性を追求するために起こしているフードロスを解消しなくてはならいという意識を社会全体で取り組む必要があります。そのためには、私たち一人ひとりがフードロスを減らし、効率的に食材を使い切る工夫をしなくてはなりません。

  • 自炊を楽しむ
    忙しい生活の中でもっとも失われているかもしれない時間の一つが自炊かもしれません。疲れて帰宅してコンビニ弁当で済ます。そんな風にしていると食費の上昇ばかりでなく生活の質が低下してしまいかねません。時間に余裕を持ち、料理を楽しむことができるようにしましょう。

  • 働き方の見直し
    パートタイムなどでは時間と報酬が連動してしまうので難しいのは承知の上で言うと、働いた価値を時間だけで生み出すのではなく、短時間でもより高い価値を生み出すにはどうすればよいかを常に考えること。そして、家事や自分の時間を確保する工夫をする。時間に追われる働き方からの脱却を目指しましょう。

まとめ

上に書いたことはなかなか簡単なことではないのは承知の上です。でも一人ひとりが取り組まないと社会が代わることはありません。エンゲル係数の上昇は、日本社会が抱える多くの課題を浮き彫りにしています。しかし、この現象を単なる危機として捉えるのではなく、ライフスタイルを見直す好機とするべきではないでしょうか。効率的な働き方、自炊の楽しみ、そして持続可能な生活を目指して、私たち一人ひとりができることから行動を始めることが大切です。

#日経COMEMO #NIKKEI

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