![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/99672614/rectangle_large_type_2_32277e4f5ec3f9e2348370d0d09583b4.png?width=1200)
イノベーションの開発プロセス ステップ2 コンセプト開発~マーケティングマネジメント第16版を読む
第18章 新しい市場提供物の開発の3回目です。
前回はアイデアの創出でした(記事はこちら)。
![](https://assets.st-note.com/img/1678187824416-TzYrWEvtgb.jpg?width=1200)
今回はステップ2のコンセプト開発です。
コンセプト開発とは、アイデアを具体化するために提供物の初期バージョンをプロトタイプ(試作品)として作ることです。
プロトタイプの製作は、デザイン思考においても非常に重要なプロセスとされています。なぜなら、プロトタイプでアイデアを具体化することで、新たなニーズの発見、チームの共感、議論の活発化といった効果が期待されるからです。
デザイン思考については以下の記事をご参照ください。
アイデアを具体化して、潜在的な問題を取り除き、新たなニーズの発見につもつながるプロトタイプの開発は大切ですが、どの程度のレベルまで作る必要があるのか?という疑問が起きるかもしれません。
その答えとしては、プロトタイプは必ずしも機能的なところまで作り込む必要はない、ということになります。
紙に書いたものや型紙でつくったものでもプロトタイプといえます。提案する製品がどのように顧客ニーズを満たすのかを垣間見せることができるものであればよいのです。
できあがったプロトタイプがどうように機能するのかを確認し、市場で受け入れられるようにするためにテストを行います。テストには、社内で評価を行うアルファテストと、顧客と一緒にテストするベータテストがあります。
ベータテストは、消費者を実験室に招いたり、家庭用サンプルを提供したりして実施します。
ベータテストのために、実際に使用する顧客に使ってもらって、使用状況を観察できれば非常によいインサイトが得られるでしょう。しかし、外部の人に依頼するのはリスクもあるし簡単なことではありません。ごく親しい家族・友人など製品開発に関わっていない人に使ってもらって印象を聞くことでも十分に成果はあると思います。
コンセプト検証
提供物の技術的な実現可能性とターゲット顧客の評価を軸にコンセプトの検証を行います。コンセプト検証において2つの重要な質問に答えなければなりません。
質問1
「機能的なプロトタイプを作成できるか、そして、後に完全な機能を備えたバージョンを作成できるのか?」
質問2
「特定された顧客ニーズを代替品よりもうまく満たすことができるのか?」
検証において有効な手法としてABテストとコンジョイント分析があります。
検証において、プロトタイプの1部を変更して、その変更が顧客の反応にどのように反応を及ぼすのかを観察するのがABテストです。
消費者が当該製品の各属性にどれだけの価値を置いているかを知るために、属性のさまざまな組み合わせを評価する分析手法をコンジョイント分析と言います。
まとめ
生み出したアイデアをプロトタイプにして検証するコンセプト開発について説明しました。コンセプト開発まではアイデアを自由に膨らませながら行ったり来たりしつつ開発を進めます。ここを通過するといよいよビジネス上成り立つのかという視点が加わるので、そういった縛りがまだ緩いコンセプト開発までは”作り手”の思いを存分に発揮すべきと言えるでしょう。
イノベーションの開発プロセスの全体像の記事はこちらです。
マーケティング・マネジメント第16版を読むのマガジン登録もお願いします!
最後までお読みいただき有難うございました。