トマ・ピケティ「21世期の資本」を英語で読む 1週目
洋書積読解消シリーズの第二弾として、THOMAS PIKETTYの「CAPITAL in the Twenty-First Century(21世紀の資本)」を読みます。基本は1日30分読み、理解できかったところは振り返りの時間をある程度設けながら読んでいきます。牽引、目次なども含めると685ページになる対策ですが、とりあえずは100日程度で読了すること目指して読んで行こうと思います。
1日目:1ページから6ページ
Introductionの一文目”Social distinction can be based on common utility.”はジャック・ルソーの社会契約論からの一文です。ルソーは歴史で学んで名前だけは知っているという人も多いのではないでしょうか。「社会的な階級や地位が公共の利益に基づいていることがあり得る」という意味ですが、18世紀の哲学者の引用を用いることで格差が社会全体の機能と深く関連することは歴史的に普遍の心理であることをこの書で表すことを宣言しているのでしょう。
2日目:7ページから11ページ
ここでは、リカルドの希少性の原理とマルクスの資本主義批判という古典的経済学者の理論と現代の格差とのつながりを述べています。
3日目:12ページから19ページ
ここでクズネッツの理論についての評価がされ、クズネッツの研究を期間と地域を拡大させることでクズネッツカーブと言われる不平等が時期を経てなくなるという理論を批判しています。
それにもかかわらず、クズネッツ曲線理論の魔法のような魅力は、大部分が誤った理由から形成され、その経験的基盤は非常に脆弱であった。
4日目:20ページから25ページ
この箇所では本書の結論となる部分が以下のように述べられています。
その一つ目は、富と所得の不平等に関しては、どんな経済的決定にも警戒すべきであるということです。
二つ目の結論であり、この本の核心は、富の分配のダイナミクスが、交互に収束と発散へと推進する強力なメカニズムを明らかにしているということです。
5日目:26ページから30ページ
この本における最も重要なポイントなる公式の説明があります。
この基本的な不平等は、私がr>gと表記します(ここでrは資本の平均年間収益率、つまり利益、配当、利子、賃貸料、その他の資本からの収入を資本の総価値の割合で表したものであり、gは経済の成長率、すなわち年間の所得や生産の増加率を指します)。この不平等は、この本で重要な役割を果たします。ある意味で、それは私の結論の全体的な論理を要約しています。
6日目:31ページから35ページ
ここには著者の研究に至ったバックグランドや本の全体像の説明、そして、以下の点を注意しています。
数学に精通していない読者には、辛抱強く本をすぐに閉じないでいただきたいとお願いします:ここで述べられているのは基本的な方程式であり、単純で直感的な方法で説明することができ、専門的な技術知識がなくても理解することができます。
7日目:39ページから45ページ
ようやく本章に入ります。Part1はINCOME AND CAPITAL (所得と資本)で、その1は、Income and Output(所得と生産量)で、ここではNational IncomeとGDPの違いについて考察しています。ピケティはより国民の経済的利益の享受を表すNational Incomeを重視しています。
生産から得られる所得を労働と資本の間でどのように分配するべきか、つまり生産アウトプットの何割が賃金に、何割が利益に行くべきかという問題は、常に分配紛争の核心にあります。
では、また、来週、進捗ご報告します。