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バーチャルPPとTig技術がもたらす広告の未来
先日、ネットフリックスで「愛の不時着」を見ていた際に、見覚えのあるお店が登場しました。「bb.qオリーブキッチン」です。大阪の天神橋筋商店街、天満駅のすぐ近くに店舗があるのですが、これまでよく知らなかったものの、「愛の不時着」で見て韓国系チェーン店だと初めて知りました。
ドラマのシーンで広告商品を登場させる手法は「PP(プロダクト・プレイスメント)」と呼ばれ、近年、配信サービスの中でAIを活用した新たな技術を導入することで、PP市場が拡大しているそうです。
日経新聞(11月4日付)によると、プロダクトプレイスメント(PP)の手法は進化を遂げ、「バーチャルプロダクトプレイスメント(VPP)」と呼ばれるデジタル技術を駆使した広告手法が導入されるようになりました。ABEMAは米国のスタートアップと提携し、番組配信後でも広告商品をシーンに後付けで合成することが可能になっています。この技術では、AIがシーンを分析し、自然な配置場所を提案し、人がその位置を選んで広告を合成するというプロセスがとられています。
従来のPPは制作段階で商品を組み込む必要がありましたが、VPPにより、話題になった後でも広告の追加が可能になりました。実際にポッカサッポロやコーセーは、この技術を活用して商品を自然に露出させています。さらにフジテレビでも、VPPの実証実験を進め、広告表示が視聴者に明示されることで、ステルスマーケティングと見なされないよう配慮されています。
VPPの利点は、CM中断なしで広告が視聴できる点や、配信番組を世界に向けて発信できる点にあります。視聴者にとっても、広告の中断が減り評価されています。デジタル技術により、より多様なコンテンツへの適用が進んでおり、ニトリのライブコマースで活用されている「Tig」技術のように、視聴中に商品の詳細情報を収集できる方法も登場しています。
Tig技術は、視聴者が映像コンテンツを見ながら、画面内で紹介される商品やサービスの詳細情報にアクセスし、直接購入などができる技術です。映像に登場する商品の一部にアイコンやタップポイントを配置し、視聴者がそこをタップすると商品の詳細情報や購入リンクが表示される仕組みです。これにより、視聴者はCM中断なしで興味のある商品を確認し、スムーズにショッピングを楽しむことができます。
特にTig技術は、ライブコマースやインタラクティブな映像コンテンツでの利用が増えており、視聴者が気になる家具やファッションアイテムを見つけたとき、すぐにその情報を取得し、購入に進めることで、広告効果や購買意欲を高めることが期待されています。
こうした技術の進化により、VPPは今後も多様なマーケティング分野での成長が期待されます。今後は、Youtubeの閲覧回数が増えたインフルエンサーの動画に後付けでVPP広告が入ることも考えられます。一方で、広告とコンテンツのバランスをどのように保つかが課題となるでしょう。