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「司馬遼太郎記念館」で創造力の源に触れてきました
東大阪にある「司馬遼太郎記念館」に行ってきました。
といっても、初めてではなくて3回目です。最後に行ったのはもう10年以上は前だったと思います。
「竜馬がゆく」「坂の上の雲」「燃えよ剣」「峠」「世に棲む日日」など、私が何度か繰り返し読んだ小説は司馬遼太郎の作品だけです。
昔、これらの小説を読んで心が高ぶったことを強く覚えていますし、あのころ、あの小説たちに出会えてよかったなぁとしみじみと思います。
最近は手に取って読むことがなくなってしまったのですが、最近、漫画化された「竜馬がゆく」を本屋で見つけて家族で回し読みしています。
原作にも忠実で、絵もきれいでおすすめです。
司馬遼太郎記念館には、自宅と一体化した安藤忠雄氏設計の建物です。
入口で入場券を購入して入るとすぐのところにたくさんの自然に包まれた庭があり、そこから書斎の中を見ることができます。書斎がまさに今も司馬氏が作業をしているような状態のままであの机やソファから雑木林を見つめながら書いていた姿が想像できます。
そして、安藤氏のイメージそのままのコンクリート打ちっぱなしの壁に沿って記念館の入り口に入り、地下に降りるとものすごい蔵書、資料の世界に入り込むことができます。
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その空間に入るだけで自分にも創造力の力が宿ったような気持ちになれる場所です。
ホールでは司馬遼太郎関連の約10分くらいの映像2本が30分置きに交互に上映されます。
映像の一つ「司馬遼太郎が遺した言葉」の中で、小説は22歳の自分への手紙だったと述懐しているシーンが出ていました。22歳で敗戦を迎え、戦争から還ってきた司馬遼太郎は「なぜ、日本はこんなバカになったのか。昔はもっと違ったんじゃないのか」、当時の為政者への憤り、なぜ日本はこんなになってしまったんだ、という思いから、素晴らしい美しい日本の姿を22歳の自分に伝えようとしたのが小説への動機でした。
「失われた30年」を経験した現代も司馬遼太郎が22歳の時に感じたのと近い感覚があるのかもしれません。
なんてことを、考えていると私は重要なことに気づいてしまいました。実は、私、「菜の花の沖」を読んだことが無かったんです。
こんな代表作の一つを読まずに司馬遼太郎を語るなんてあまりにおこがましいので早速記念館で購入しました。
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こちらで購入すると専用のブックカバーをつけてくれます。
そして、全巻買ったので缶バッヂとお子様ランチの国旗みたいな「旗印」をもらいました。
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外国人の方もたくさん来館していました。司馬文学は海外でも知られているんですね。
お近くに来られた際にはぜひ。