名著「確率思考の戦略論」を読み解く 第2章 戦略の本質とは何か その1 認知、配荷
以前、読んで感銘を受けた森岡、今岡著の「確率思考の戦略論」。読み直しをしながら自分なりのまとめ、気づきを記しています。
今回は、第2章 戦略の本質とは何か です。
本書の魅力はコンテンツはもちろんですが森岡氏のユーモアのセンスを含めた文章力ですね。もし、読まれたことがない方はぜひ一読おすすめします。
この章では絞るべき戦略の焦点を3つあげています。
経営資源を勝つ確率に従って、Preference(好意度)、Awareness(認知)、Distribution(配荷)のうちのどれに投下するのかを決定することが戦略です。
売上(シェア)=Preference × Awareness × Distribution
Preferenceを高めることは戦略の究極的な焦点であり、ブランド・エクイティ、価格、パフォーマンスからなると第1章でも言っています。
Perferenceはブランドの質的な成長のことでありポテンシャルそのものを高めることになります。
AwarenessとDistributionは、ブランドの量的成長につながり、ブランドのポテンシャルの制約条件を取り除くことになります。
ビジネス上の問題点は往々にしてAwarenessとDistributionにあることが多く、これらを伸ばすことは確実性の高い戦略になります。
Awareness(認知)とは?
認知率をある一定レベルまであげることは売上の伸長に直接的に影響します。ただし、認知レベルをあげることはコストがかかります。すでに高い認知度があるものをさらに上げようとする場合はさらに大きなコストがかかります。
認知には2つの指標があり助成想起(Aided Awareness)と純粋想起(Unaided Awareness)です。
助成想起は、「◯◯を知ってますか?」というように商品名をあげて知っているかを聞くものです。認知の最大面積とされて、圴一なデータを取る上では有用です。
純粋想起は、「ある商品カテゴリーの中で、思い浮かぶものは何ですか?」というように回答者にブランド名をあげさせるものです。マーケターは、純粋想起において1番目、もしくは2番目に上がることを重視します。
Distribution (配荷)とは?
実際に、CMや広告で見かけて知っていてもスーパーに置いてないと買ってはくれないです。小売業にとっては、お店にくるお客さんのPreferenceに沿った商品を並べておくことが売上最大化につながります。
商品をおいてもらう側としては、いかに小売業者に自社ブランドの役割を理解してもらって商品を置くことのベネフィットを理解してもらわなくてはならないです。
まとめ
第2章 戦略の本質とは何か?から戦略を決める3つの要素のうちの2つであるAwarenessとDistributionの部分を読みました。本文にもあった通り、この2つはブランドのポテンシャルに制限をかけるもので、両者を改善することはわかりやすくて確実性の高い戦略となります。
B2Bビジネスですと、Distributionについては販売代理店の質と数ということになるのでしょう。
次回は、ブランドのポテンシャルであるプレファレンスの伸び代についてです。
次の記事はこちらです。
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