やっぱり類は友を呼ぶのか? 類似性-行動経済学の理解と実践31
口コミについてはウィンザー効果でも書きましたが、インターネットで入手可能な情報は顧客の購買意思決定のプロセス(カスタマージャーニー)の一部となっています。
心理学で多く研究される類似性が与える影響からも口コミの有用性が謳われています。
類似性とは?
類似性とは、属性、環境、用紙、趣味、態度など、似た者同士だと親近感を覚えて好意的反応をもつようになることをいいます。
町なかで、10代くらいの女の子で髪型や服装がすごく似たグループを見かけることがあります。
一緒にいるからから価値観が同じになるのか、価値観が同じだから一緒にいるのかはわかりませんが、「類は友を呼ぶ」んだな、と思います。
何が類似性の根拠となるのか?
では、どうやって類似性をマーケティングに生かすのか、ということを考えます。
セールスでもよく同じ出身大学とか、家族環境とか、属性面での共通点を見つけて人間関係を築こうとするのってよくあります。
実際、そうやって共通点から人間関係を構築することがうまくいくこともあります。しかし、うまくいくときもあればまったく響かないこともあります。
どこにその違いってあるのでしょうか?
アウェイ感が強まると類似性を求める?
学生時代に海外に一人旅をしたことがあるのですが、旅の途中で何日かぶりで日本人の人に会うとすごくうれしくなったことを覚えています。ほんとに、何年振りかの友人にあったような気がします。
でも、日本でもしこの人とどこかですれちがってたとしたら話すきっかけもないし知らんぷりになるでしょう。逆にいきなり声かけるのは日本ではかなり勇気が入りますよね。異国では日本人という共通点だけでいっきに親近感がわきます。
初めて商品・サービスを利用する人にとっては、アウェイ感を強く感じているはずです。そういった時には、その顧客とできるだけ近い属性の経験者の意見を提示してあげることは十分に有用だと言えるでしょう。
類似性のマーケティング活用において注意したい点
類似性の活用方法として、たまに見かける論調で以下のようなものがあります。
多くの人が共感を持つのは「負け組」の方なので、「勝ち組」をプロモーションに使っても共感が得られない、というものです。
何をもって「勝ち組」、「負け組」とするのかの議論はさておき、いわゆるあまり成功していないと自覚している人は、「成功している人」に対して類似性を見つけられないというのです。
この考え方にはリスクが伴うと思います。
なぜなら、もっとも重要な類似性は価値観やニーズだからです。本質的に、あぁなりたい、こうしたい、という想いを体現している方に近づけることを求めていると思います。
ニーズ、価値観の類似性を見つけ出すことが目的であることを忘れてはいけません。
まとめ
共通点のある人とは居心地が良くなり良い関係を築けやすくなる類似性について説明しました。周りの人に合わせたくなる同調効果も類似性を見つけたいと思う心理状態から来てると言えますね。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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