「大量絶滅はなぜ起きるのか」を読んで
私立高校2年生の時から「私立文系コース」だった私は、このジャンルの本ははっきり言って苦手です。
以前に経営学関連(イノベーション類)の本を読んでいた際に、毎月1冊新刊の新書を無作為で選んで読むことを薦めていました。
BLUE BACKSの科学系の本は、興味深いんですけど途中でへこたれてしまいそうで、手に取るのをいつもためらうんですが、本書は現代の地球温暖化の問題を考える上でも学びがありそうだと思い頑張って読んでみることにしました。
おそろ2億150年前の三畳紀末に起きた大量絶滅の検証を行い、現代で起きている地球の異変との関連性を見つけ出そうとするものです。
地球ではこれまで5回の大量絶滅があったそうです。
2億150万年前といえばまだ大陸が一つだったことです。だから、ニューカレドニアや岐阜県で起きていることが一つに繋がった証拠として繋がってきます。
だから、著者の尾上哲治氏は世界中で各国の研究者と協力して地層、化石を研究して三畳紀に何が起きたのかを突き止めようとします。
そして、11の出来事が三畳紀に起き、それらが大量絶滅の要因としての可能性が高いと考えられます。
最後の2章は著者の推論とことわりを入れながらも、高温化、森林消失とそれによる土壌の海底への流出といったところから、大地と生命がいかに繋がっているのかが見えてきます。
現在は、「第六の大量絶滅」の始まりなのか?
その、サインとも言える絶滅率(E/MSY値)などゾッとするものありますが、現在の政策のままで21世紀には2°を超えるとされており3°を超えるとグリーンランドの氷床の融解のティッピングポイントを超え、人間活動には大きな影響を与えると考えられます。
産業革命からの気温上昇6°を超えるとアマゾンの熱帯雨林の消失のティッピングポイントを超えるとされており、そうなるとまさに大量絶滅の始まりとなると考えられると推察されています。
まとめ
2億年以上も前の地層から現在の地球の異変との共通点を見るという壮大な計画の一端を見ることができました。当たり前のようですが、生命は地球の中でのみ生き続けることができるのであって、私たち人間が生きていられるのは今の環境が維持されているほんの数千年の期間であって、地球にとってはその環境というのは絶対ではないのだということがわかったような気がしました。
だからこそ人間は今の環境を自分たちのために守る努力をしないといけないのだなと感じた次第です。
森林を守る努力をしましょう。
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