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貝殻のアップサイクルビジネスの可能性

ChatGPTに貝殻の繊維のスーツのイメージを作成してもらいました(かなりイメージとは違う絵になりましたが、、、)。このイメージ画像の理由は、貝殻がスーツに変身するという面白い記事(日経新聞(9月14日付))を見つけたからです。

貝殻は漁業や食品加工の副産物として大量に廃棄されています。しかし、近年、貝殻をアップサイクルして新たな価値を生み出すビジネスが芽生えているそうです。

殻の主な成分は「炭酸カルシウム」で、約95%を占めます。様々な用途での活用方法はあるようですが、コスト効率からほとんどが焼却処分されているようです。

アップサイクルとは、廃棄物を単なるリサイクル以上に付加価値のある商品として再利用することを指します。

貝殻の新たな利用法

日本は世界有数の貝の生産国であり、ホタテやカキが特に多く生産されています。これまでは、貝殻は肥料や土壌改良材、土木資材として利用されてきましたが、その価値は低く、廃棄処理にも費用がかかっていました​。

そんな中で、貝殻を高機能な素材として活用する取り組みが進んでいるそうです。例えば、青山商事が販売しているスーツは、名古屋の線維商社の瀧定が開発したカキ殻を使った新素材「SEA WOOL(シーウール)」を使用しています。この素材は、シワ防止や紫外線カット機能を持ち、環境意識が高い若年層から注目されています。

また、宮城県の水産物販売業者フィッシャーマン・ジャパン・マーケティング(FJM)は、福島県のスタートアップ企業と連携し、ホヤ殻からセルロースを抽出して代替プラスチック素材を開発したそうです。ホヤ殻からのセルロース抽出は珍しい技術で、環境負荷の少ないプラスチック代替品として期待されています​。

廃棄費用をかけて処理されていた貝殻を有効活用するというアップサイクルの取り組みは消費者の環境意識への高まりに対応した製品開発としてブランド構築に役立つと言えるでしょう。特に、化粧品や建築資材、ファッション業界では、貝殻素材の活用の可能性があると思われます。

漁業副産物のアップサイクル事例

漁業や食品加工からの副産物のアップサイクルの事例は他にもあります。例えば、魚の骨や皮を利用したコラーゲンやゼラチン製品があります。魚の皮から抽出されたコラーゲンは、化粧品やサプリメントとして美容・健康分野で注目を集めています。また、魚油は、オメガ3脂肪酸が豊富なサプリメントや調理用オイルとして販売されています。

さらに、サメの軟骨を活用した健康食品や、エビやカニの殻から抽出される「キチン・キトサン」は、抗菌作用や保湿効果があり、医薬品や化粧品、食品添加物として利用されています。

まとめ

貝殻のアップサイクルが本格的に利益を生み出すまでには時間がかかるかもしれませんが、可能性を追求することが持続可能なビジネスモデルの構築につながるでしょう。今後の進展に注目したいと思います。


#日経COMEMO #NIKKEI

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