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似てそうで似てない?透明しょうゆと透明コーラ
透明のしょうゆって聞いた時は、第一印象として「売れないでしょ」って思いました。上の写真が透明の液体だったとしたら、私は、絶対、刺身に対する食欲が薄れます。
でも、この記事を読んで「あ、そういうことか」と納得しました。
記事によると、元々、この熊本のしょうゆメーカーさんは保育園で子供が服を汚さないように透明のしょうゆを作って欲しいとのニーズから開発されたんだそうです。
それが、インバウンドの目に留まり人気になっているとのこと。海外の料理人から「料理の隠し味として使いやすい」という評価を受けているそうです。
確かに、その使い方なら日本人の私でも納得がいきます。
フランス料理なんてすごく色彩にも気を使いそうですし、視覚に影響を与えずにしょうゆを使えれば新しい味が作れるんじゃないかな、って思います。
色が味覚に与える影響は大きいです。それをよくあらわしているのが透明コーラの事例です。
2018年に発売された「コカ・コーラクリア」。ブラインドテスト(目隠しをして味を比較するテスト)では、高評価だったのに、売上は伸びなかったようですでに生産は中止されています。
私も発売当初は好奇心で買ってみたことがありますが、印象として「なんか物足りない」と思ってしまって、「やっぱり普通の黒いコーラの方がうまいんじゃない?」って思ってしまいました。
色が影響を与えるのは味覚だけではありません。
例えば、エコタイヤ。
車のタイヤは、常識として黒色というイメージがあります。それは、タイヤの補強剤としてカーボンブラックが使用されているためです。でも最近のエコタイヤの補強剤はホワイトカーボンを使っていて白色です。カーボンブラックは着色剤として使用されているそうです。
なぜ、タイヤが黒色でないといけないのか?
タイヤですから泥がついても汚れが目立たないとか、車のデザインとのバランスとかもあるでしょう。さらに、真っ黒なタイヤ=丈夫で安全という心理的イメージも少なからずあるのではと思います。
しょうゆに戻りましょう。
日本人の感覚では食卓にのぼる刺身しょうゆなどはやはり黒でないといけないという人が大半だと思います。
でも、日本の食文化ではない海外の料理人、それも隠し味であれば全然納得できます。いや、隠し味であれば、日本の料理の場面でも活用価値ありそうです(例えば、豚骨ラーメンのスープに少し足すとか?)。
文化や価値観を背景にしてターゲットとする顧客が持つ色のイメージを掴んでおく必要がある一方、コーラの場合は、黒がほぼほぼ万国共通のイメージだったと思います。黒色でなければコーラではないと言っても過言ではないかもと思います。
インバウンドという市場セグメントが確立されてきた今、五感に対するアプローチも変化や工夫が可能なのか検討してみる価値はあると言えるでしょう。