THY ROW / Unchained(フィンランド、2021)
ワイルドR'n'R Meets NWOBHM度 ★★★★★
先日、宇多田ヒカルの新譜の記事を書いたんですよ。そうしたら「あなたへのおススメ」で宇多田ヒカル関連がたくさん出てくるようになって、「もうわかったねん」と。いや、好きだしいいアルバムだと思ったから書いたんですけどね、これだけたくさん出てくると食傷気味に。凄い話題になっているんだなぁということとトレンドの凄さというものを感じるわけです。ふだん書いてるメタルとかワールドミュージックだとぜんぜん類似記事出ないけどね!
とはいえ、改めて聞いても宇多田ヒカルの新譜は素晴らしい出来ですね。車の中で流していたんですよ、女性ボーカルの曲をいくつか集めて。そうしたら小学生女子が宇多田ヒカルの曲で猛烈に反応してベースラインを口ずさみ、リズムを取り出しましたからね。オリヴィアロドリゴに無反応だったのに。子供も反応する説得力があるんだな、と。
で、他にもいろいろかけていたら反応したのが今日のこのアルバム、Thy Roy(タイ・ロウ)のアンチェインド。1曲目から一緒に口ずさみ始めましたからね。これはもう宇多田ヒカル=Thy Rowと言っていいんじゃないかと。今日この記事を書くとしばらくThy Rowの記事がおすすめされてきて「もうわかったねん」となるんだろうなぁ。
さて、Thy Rowはフィンランドのバンド。Suomi Fiest2019で来日もしているみたいですね。僕も行ったんだけど記憶にないなぁ、、、と思って調べてみたら
25日に出てたのか! 僕が行ったのは24日の方でした。ニアミス。
音楽性的にはちょっとワイルドでハスキー系R'n'Rというか、初期LAメタルみたいな感じ。そこにN.W.O.B.H.M.直伝のパワーコードのリフが一体化したメロディアスなメタルという印象。個人的にはZiggyもちょっと思い出したんですけれどね。ああいう日本のハードロックバンドサウンドにも通じるちょっとマイナー調のメロディセンスが琴線に触れてきます(音はもっとヘヴィだけど)。
そのままヘアメタル路線で最後まで行くのかなと思ったら後半3曲は組曲(The Downfall, Part 1~3)で、ちょっとエスニックなスケールを導入したり予想外の展開も。「組曲」といいつつもプログレ的ではなくそれぞれの曲は独立していてメロディアスなメロハー路線という基本構造は変わらないのですがメロディが新鮮。「おお、最後に隠し玉を出してくるか」という見事な作り。終盤3曲があったから「優良メロハー盤」から「個性のある名盤」に変わりました。これでデビューアルバムというのは凄いですね。
メロディアスさとヘヴィさのバランスが絶妙で、メロディセンスもフィンランド的でひねりがあって抜群。これは期待のニューカマーです。しかしタイロウと言われると大老に脳内変換されますね。大老…桜田門外…宇喜多…あ! 宇喜多≒宇多田か!(オチなし)。
おまけ
日本盤の帯が暑苦しい(誉め言葉)。日本盤はBlue Bloodのカバーが入っているのか! これは目指していますね、ビッグインジャパンを。もともと(カバーするほど)好きだったのかなぁ。帯に「ラムステインとヴォルビートの(マスタリングをした)スヴァン・フォルスパックを起用!」ってマニアックですね。いやマスタリングで音は変わるけどさ、エンジニアを前面に出さなくても。ヴォルビートとラムステイン言いたいだけやん。でも、なりふり構わずプッシュするぞというレーベルの熱意を感じるいい帯。
おまけ2
Blue Bloodはライブでも定番のようだ。本当に好きなんだね。マーケティングだと疑って悪かったよミカエル。日本留学もしていたようなので日本好きっぽいですね。ビーストインブラックもベルセルクファンだし、フィンランドは日本好きが多いのかしら(一応、第二次大戦の同盟国でもあるし)。
↑きちんと英詩をつけて自分たちのものとしてやりこんでいる印象。