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復活星!中日・笠原祥太郎投手が投じた90球

 2019年の開幕投手が、ようやく白星を掴みました。中日・笠原祥太郎投手です。その2019年以来、3年ぶりの白星。笠原投手らしさが詰まった見事な投球で、首位・ヤクルト打線を封じました。

19年・開幕投手を務めるも

 2018年シーズンに6勝を挙げ、翌年の19年に開幕投手を務めた笠原投手。入団3年目で開幕投手を任され、誰もが笠原投手の将来を期待していました。しかし、お身体の不調もあってか期待されたような成績は残せず、20年は1軍登板すらありませんでした。

 昨季(21年)もわずか4試合の登板。0勝2敗と勝ち星を得ることができず、厳しい状況へと追い込まれていきます。同じ先発左腕の小笠原慎之介投手松葉貴大投手が先発ローテに定着し、エース・大野雄大投手も君臨するチーム状況。かつての開幕投手も、存在感を示すことが中々できませんでした。

今季は不運も重なり。。

 今季は4月2日の広島戦で先発すると、勝ち星こそつかなかったものの、6回2失点と好投し、完全復活へ向けて走り出したかに思われました。しかし、新型コロナ陽性判定を受けるなど不運が重なり、1軍のマウンドから遠ざかります。その間、若い高橋宏斗投手らが台頭し、さらに先発ローテの枠が埋まりつつありました。

 それでも、大型9連戦を前に、故障や松葉投手のコロナ感染等の影響により、先発のチャンスが巡ってきた笠原投手。当初、先発予定だった12日の豊橋での試合は雨天中止となり、14日の本拠地で行われるヤクルト戦のマウンドに上がりました。

最高峰のチェンジアップは健在

 初回、2つの四球と安打が絡み、いきなり1点を失ってしまう不安定な立ち上がり。初回だけで32球を投じ、この先どうなってしまうのか不安がよぎります。

 ただ、ここからの笠原投手が見事でした。130㌔後半から140㌔前半の直球と、ブレーキのかかった最高峰のチェンジアップを武器に、ヤクルト打線を封じます。5回には再び満塁のピンチを背負いますが、なんとか打ち取り、勝利投手の権利を得て降板。5回1失点、90球を投じた見事な投球でした。

最悪の事態は回避したものの

 試合は女房役の木下拓哉捕手の4打点の大活躍で勝利を手にした笠原投手。しかし、今後の課題もみえました。それは四球です。この日は奪三振数よりも多い4つの四球を与え、いずれも満塁まで発展しました。中軸の打者に対し、警戒するのは分かります。事実、この試合ではピンチで長打を許さず、最悪の事態は回避したと言って良いでしょう。それでも、開幕投手を務める力がある笠原投手です。プロ野球界で最高峰のランクに位置するチェンジアップも持っています。期待値が高いからこそ、次回は中軸の打者とも勝負してほしいと感じました。

 新型コロナの影響で山田哲人選手、塩見泰隆選手など多くの主力選手を欠いていたヤクルト打線とはいえ、白星を掴んだ事実は変わりません。3年ぶりの白星をキッカケに、更なる高みへ。かつての開幕投手が、再び歩み始めました

【出典】
プロ野球 - スポーツナビ (yahoo.co.jp)

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