マックの物語(12)
4月29日(日)、5月6日(日)マックは両日欠席した。
理由は腹痛、お母さんの話だとほとんど毎日家の中で
ゴロゴロしているようだ。
学校という唯一の外部とのつながりが
途切れ、毎日の生活のリズムもなくなり、
心地よく逃げ込める自分の部屋に戻って行ってしまった。
読書教室にだけは来て欲しかったが、
マックはまだ、そこまで
力が回復していなかった。
その後もお母さんから何度か
電話をもらった。
お母さんもひどく残念そうで、
「5月13日は行けると思う」
とほぼ願望だけで、
そう言った。
4月29日(日)はマックにもかなり心の葛藤が
あったようで、トレイに入ったり出たりしていたらしい。
毎日読書教室の話をするようで、
「そんなに気になるなら
電話してあげるから、
ゴールデンウィーク中に一度
行きなさい」と言ったが
反対に怒りだす始末、逆切れか・・・
自分なりに戦っているんだ。
マックよ誰も解決してくれないぞ、
自分の力で生きていくしかないんだ。
出てこいマック!
安らぎの場所は外にもあるぞ、
頑張るんだ!
5月13日(日)は初夏を感じさせるほどの
強い日差し、快晴。
朝電話をかけようと思ったが、
やめた。
その電話でさえマックには
プレッシャーになる。
きっと今も行こうか、行くまいか
考えているだろう。
そして、行く時間直前には
腹痛を起こし、トイレに駆け込み。
また、色々と考え、悩む。
それでもいい、
どんなに遅くなってもいい、
出て来いマック!!
僕は待っているぞ、
今週ダメなら、来週だ。
それでもダメならその翌週だ。
12:00を回った、
夏を思わせる強い日差しが
教室に照り付けて、
机がピカピカに光っている。
僕はその光った机を
一つ一つ丁寧にみがき、
みんなが来るのを待った。