読書の時間。
昔から読書の時間が好きだ。
中学高校の時は電車で、大学では図書室で、社会に出てからはまた電車で、共通して家で読む時はトイレの中がほとんどだった。
読む本は推理小説が気に入っていたが、推理などしたことはない。
圧倒的な推理力を持つ探偵役の奇抜な推理で奇抜なトリックを解いていくその様子にただただ魅入っているだけだった。
赤川次郎、綾辻行人、島田荘司、我孫子武丸、有栖川有栖、清涼院流水、東野圭吾、森博嗣などなど古いものから割と最近のものまで次々に推理小説ばかり読んでいた。
この本たちの何が私を惹き付けるのか考えてみると、共通するのは "冷たさ" "薄暗さ" "陰鬱さ" だろうか。
解決編が終わっても "爽快感" はほぼ無い。
ただ、真犯人が見つかるという事実が残るだけ。
人の怨み憎しみ悲しみは消えず、死人も当然戻りはしないという事実が取り残されるだけなのだ。
なのに、探偵は次の日にはまた新たな事件にわざわざ遭遇する。
この時期は、無限ループ無限地獄のような本の世界に私も巻き込まれてしまっていたのかも知れない。
と、もう推理小説を読まなくなった今になって漸く気づけた気がするのだ。
しかし何にせよ、かなりの読書の時間を過ごしてきた甲斐もあり、漢字にはそこそこ強くなった。その部分では推理小説には感謝している。
暇な時間ができたら、またあの無限ループにハマるのも悪くないかも知れない。
今日はこの辺で。