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人生を豊かにする「相棒」としてのAIを作ることにしました
こんにちは、AIスタートアップ起業家の安田です。
前の記事では、2社目の起業として、シリコンバレーで起業する決意や背景について書きました。それは引き続き変わらず、ビザ取得や現時点でもできるプロダクトの検証など準備を進めています。少し予定より遅れてますが、これからスムーズにいけば今年5月ごろには渡米予定です。
また、前回は"人々のポテンシャルを最大限開花させる”というミッションについて触れたものの、その具体的な構想などは書けていませんでした。今回は、解像度が上がってきている事業、プロダクトの構想について書こうと思います。
まず、そもそもとして、ポテンシャルの発揮を阻害している要因は何だと思いますか?私の観測上、多くの場合は自信の欠如と、集中の欠如(両方のケースも多い)が根底にあることが多いと感じています。
ここ暫く、上記のミッションへの解像度をあげるため、コーチングに近いアドバイザー業務を、初期の経営者や、プロダクト開発者に提供していました。その中で、多くの場合は自信を失っていて不安な時に、見通しをつけて出来そうな実感を高めることに協力したり、大量のタスクに飲み込まれ集中出来ていない時に、真に重要なことを設定する手伝いで効果を上げることが殆どでした。
例えば前者の自信を失ってるケースだと、外部の人から課題やリスクを色々と指摘されて弱気になっているような状況があります。そのような時には、いや、それでもポジティブなユーザーの声とか、成功の可能性があるストーリーちゃんとあるし、十分光明あるよねとポジティブな視点を提供するなどが効果的でした。
後者の集中が削がれているケースでは、まずはプロダクトを最小限でも誰かに使ってもらって仮説を検証するべき状況で、目的のはっきりしないミーティングやイベントへの参加などを詰め込んで忙しくしているような状況などがあります。そのような時には、今一番検証するべきことは何か、それを最速で達成するために必要なアクションは何かなどを丁寧に聞き出して整理することで、格段に前進するようになった例などもあります。
そこから考え、自信の向上と、重要なことへの集中を促せられるプロダクトを作ることが出来ると良さそうということが見えてきました。とはいえ、非常に人間心理の深いところへの介入がある領域なので、シンプルそうに見えて、実現が非常に難しいテーマになります。
まずトライしたのは、シンプルなコーチAIチャットボットでした。色々とユーザーの状況、背景や目標を渡した上で、プロンプトの工夫などでコーチらしく自信の向上と集中を促すコミュニケーションをさせてみるというようなものです。
この最初のMVPでは、コーチとしては悪くないコミュニケーションをするようにはなったものの、結果として初期ユーザーが頻繁に使ってくれるようなものになりませんでした。要因を特定するために私自身でユーザーの深い心理までヒアリングを繰り返していくと、自分の生産性、効力感が十分でないという課題に対して、コーチングというソリューションの納得感が低くて選択しないのだということがわかってきました。課題感がある時に、コーチングAIだと即効性のあるメリットがイメージできないため、頻繁には使わないということでした。
そこから、現在取り組んでいる、Todo管理に近いコンセプトにピボットしました。なぜなら、ユーザーの課題感を更に深ぼっていくと、適切に「やるべきこと(≒Todo)」と向き合えていない感覚が、自分の生産性、効力感への不安に繋がっている、ということがわかってきたからです。
とはいえ、色々とTodo管理のツールは昔からあるのに、なぜ未だ課題感がある領域なのでしょうか。課題感とのセットで考えると、既存のツールでは、やった方が良いことをリストやアイテムとして保存・記録することを主眼にしており、大事なことへの集中と、それらを進められている効力感を促すものになっていないからだと考えています。また、それをプロダクトとして実現するには、複雑に絡み合っている情報の定性的理解が必要であり、ここ最近実現された知能レベルのAIが無いと不可能だったため、この領域が空いているのだと推察しています。
また、同時に発生しがちな課題感としては、様々な背景からやるべきことが流動的に変動してしまうために、管理していたTodoやゴールのリストがどんどん負債化していって使い物にならなくなってくるという課題感でした。そしてこれも、AIが非常に相性の良い領域です。昨今だと、会議の議事録も自動でAIが取ってくれるようになったり、業務成果物もテキストやパワポなど、データ化されているものが多いため、AIが広く自動で背景情報を把握して、適切にやるべきことを管理してくれるように出来るはずです。
そのため、Todo管理とは表現していますが、イメージとしては、ユーザーの背景を深く理解して支援してくれるAIのマネージャー、秘書などとも表現出来るような新しい概念のプロダクトです。さらに進化していけば、ものすごく信頼できる「相棒」としてのAIになっていくイメージです。今はまだクローズドベータで限られたユーザーに使ってもらいつつフィードバックをもらって改善している状況ですが、方向性としてはとても手応えを感じています。
更にビジネス的なチャンスでいうと、To Bとしてのポテンシャルも、To Cとしてのポテンシャルもあると考えています。To Bとしてはプロジェクト管理や、チームマネジメントの領域に展開可能ですし、活き活きとした人生を生きるためのガイドとなるAIのようなコンセプトだとTo Cとしてのポテンシャルも大いにあると考えています。まずMVPはプロシューマー向けとして両方を睨めるところから始めていますが、ニーズの強さやインサイトに応じてどちらも大きな可能性があると考えています。
一方で、まだまだ難しさもあります。先にも述べた通り、非常に人間心理の深いところに関わるプロダクトなので、UI/UXの品質がかなり高いレベルで求められるからです。ユーザーの適切な集中を阻害しないようにしながら、本質的なことに向き合い、取り組めるように促すということが必要なため、絶妙なバランスのインタラクション設計が必要です。また、理想的には、ユーザーの深い理解のためにかなり幅広いデータソースとの統合が望ましいですが、その実装や、セキュリティ対策、増えていくデータをどう効率的に処理していくかなど、まだまだチャレンジしていくべきことは山積みです。
このように、着実に良い方向に積み上がっている一方、取り組むべき課題もたくさんあります。そのため、絶賛仲間やコラボレーションできる方を募集してます!募集要項は下記にリンクを入れますが、ざっくり、チーム立ち上げの中核メンバーとして、英語ができ、COOや事業責任者、PdMなどの経験があり、日本か米国在住の方を探しています。特に、グローバルで存在感のあるソフトウェアプロダクト作りたいという方と是非一緒にやりたいです。
コラボレーションに関しても広くウェルカムです。特にミッションへの共感がある方や、近しい構想がある方と是非議論したいです。私の主義はミッションファーストで、あまり競合警戒しないスタンスなので。
また、課題を抱えていて、ヒアリングやプロダクトのベータテストに協力していただける可能性がある方も絶賛探しています。もし、やりたい・やるべきことがあるのに集中できていない、力が湧いてこないなどの課題感がある方も、下記のリンクからぜひお話聞かせてください。
現状やればやるだけ、この領域への手応えと使命感が増してきており、我ながら良いテーマを見つけ、進められていると思っています。そのため、とても1人でやってるのが勿体ないという気持ちもしてきています。是非、少しでも興味、関心のある方、ぜひ、下記から設定いただき、お話しさせていただけると嬉しいです!