見通しを伝える(31)
うつ病診療の基本のひとつに、予想される経過を前もって伝えておくというものがあります。
「抗うつ薬の効果は1、2週間くらいで少しずつ出てきます」などと見通しを伝えることで、相手の苦しみに耐える力を補強するのです。どんな苦しみでも、あとどれくらい続くのかという見通しがあれば、それまでは頑張ろうという気持ち(あるいは、あきらめて開き直る気持ち)になることができます。
特にうつ病では「この苦しみは果てしなく続く」などと悲観的になりがちなので、特に意識して「果て」はちゃんとあるのだ