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【エイリアンG】デザインノート


■あいさつ

こんにちは、ビーランバーでイラストやゲームデザインを主に担当しているヤスナガです。
私たちビーランバーは「自分達がほしいと思うものを思いのまま気の向くままに作る」を信条に活動しています。今回は秋ゲムマ2024の新作「エイリアンG」について考えていることをつらつら書いていきます。(本作は10/06㈰までクラウドファンディング中です)

■「エイリアンG」とは

「エイリアンG」とは、タイルを対面の部屋に押し込んで、その部屋にどこよりも強い王国を築くことを目的としたタイル配置×セットコレクションゲームです。

押し出す様子

それぞれの部屋に「G」がどんどん押し込まれて増えていくのがたまらなくイヤだ、という多くのテストプレイヤーの方々のお声から「人がイヤがることを進んでやるタイル×セットコレクション」と銘打っています。

▶企画のきっかけ

メンバーのしまむらきなこさんがある日「かわいいかっぱさん達がおしりをぶつけあうゲームを作りたい」という提案をしたことから企画が始まりました。
当初のタイトルは「かっぱのおしくらまんじゅう」で、トランプを使ってカードの押し合いをしようかみたいな話をしていたと思います。
そこからドンドンとかっぱが弾き出されていってプレイヤーの手元に溜まっていくセットコレクションにしていこうと話が進んでいきました。

■影響を受けたゲーム

今作を考えるにあたって大きく影響を受けた3つのゲームがあります。
1つ目がファミコンソフトの「みんなのたあ坊のなかよし大作戦」です。

▶①「みんなのたあ坊のなかよし大作戦

retrogamez.netさんより引用

きなこさんが幼少期に大好きだったゲームで、タイルが並んだ盤面を歩き回りながら絵柄をそろえていくゲームです。
マス目上にタイルが並んでおり、お化けを回避しながら絵合わせしていくとてもシンプルなゲームですが、アクション要素が絵合わせを楽しくさせるギミックになっています。
今のエイリアンGはこれとは全く違うゲーム性になりましたが、当初の「かっぱのおしくらまんじゅう」はここから着想が始まりました。
盤面の構成や押し込む挙動を考えるにあたり、召されかけさんの「乳製品少女ふたばちゃん」やCGCGStudioさんの「ONE」も使わせていただき、挙動をテストしていました。

▶②「おしろのおきにいり」

2つ目にヲシダさんの作品「おしろのおきにいり」です。
エイリアンGのセットコレクションを考える上で、極限まで計算をシンプルにしたい、という思いがありました。そこで「おしろのおきにいり」の配点をベースにして調整を進めることにしました。
「エイリアンG」は4種類の各タイルが12枚ずつ均等に配分しています。この配分を均等にしているのも、計算をシンプルにしたいという思いから「おしろのおきにいり」から踏襲しています。
「何枚集めるべきか」という1点だけで役の難易度を表現することで、押し合う遊びに出来る限り集中してもらうことが狙いです。また「KING」や「WARRIOR」などの役職の名称も、この「おしろのおきにいり」を参考にしています。

ヲシダさんの作品はいずれもとてもシンプルなルールのなかに確かなゲーム性が盛り込まれており、大変多くのことを学ばせていただいています。
同氏の「ねこチーズをうばえ」「KAITAKU」もとても面白いので見かけた際はぜひ遊んでみてください。

▶③FINAL FANTASY VII :REBIRTH「クイーンズブラッド」

GameSparkから画像引用

そして3つ目に、FINAL FANTASY VII :REBIRTHに登場するミニゲーム「クイーンズブラッド」です。
これはタマゴのルールを考えるにあたって、UIや挙動をかなり真似ています。
クイーンズブラッドはカードを置く度に盤面のランクが増減して置けるカードが変わり、自分だけでなく相手の盤面にも影響を与えることができます。
最後にバトルラインのように各列での数値を競いあって合計点を競うゲームです。
私は発売当時クイーンズブラッドに見事にハマり、ゴールドソーサーの特別ミッションも全てクリアしました。
この盤面のランクが変動する仕組みや、ランクが変動する位置の指定の仕方などで大いに参考にしています。
クイーンズブラッドの場合はカードを置く位置によって影響を与える盤面の位置も変化するのですが、「エイリアンG」ではプレイヤーへの負担を減らすため、タマゴがうまれる位置は固定にしています。
(コンボが楽しいゲームも今後考えてみたいですね。)

■アートはどのように決めていったか

「かっぱのおしくらまんじゅう」からスタートしたこともあり、最初はかっぱが押し出されてる姿や踏ん張っている姿などを描こうとしていました。
ですがゲームのデザインが進むにつれて、押し出されたカードはプレイヤーにとって「マイナス」の側面を強く持つようになりました。かわいいカッパさんたちがプレイヤーから嫌われるような存在になってはならない、ということで別案を考えはじめました。
押し付けられたらイヤなもの、と考えたときに「G」というアイデアにたどり着くまでは時間がかかりませんでした。「ゴキブリポーカー」という有名な作品もありますしね。
ですが、「お子様のいるご家庭で愛されるゲームにしたい」という思いからゲームを作り始めたので、カッパから「G」に変更するにしても「愛されるGでありたい」という願いが強くありました。
なので憎らしいけど愛らしい、をテーマにデザインを進めていきました。
シルエットは「G」のようだけどパッと見は違って見えるように工夫をしました。
毒々しいイメージを出す目的で頭部は骸骨をモチーフに、体色も明る目の青系統の色を使うことに決めました。
表情を少し歪ませたり歯を歪に生やすことで小憎らしくも生き生きとした骸骨になっていきました。
最後にエイリアンっぽく触覚の先端を丸くしたら完成です。

最終的に願っていた通りの小憎らしいけど憎めない、愛嬌があってよくよくみたらカワイイと言えるエイリアン達が完成しました。

左が初期案、真ん中が完成品のひとつで右がバリエーション 段々とかわいくなってます

はらセレブ先生に依頼させていただいた時も、この思いをとても的確に漫画に反映してくださったのが大変うれしかったです。おかげで物語性やゲームへの理解度が一気に広がったと思います。改めてはらセレブ先生に御礼申し上げます。

はらセレブ先生に描いていただいた紹介漫画

■なぜクラファンをしたのか

いくらかわいく描かれた「G」とはいえ、「G」という看板を背負ってしまった以上はそのマイナスイメージから逃れることはできません。
このイメージを時間をかけてしっかりと払拭して、キャラクター性、ゲーム性ともに愛される存在にしていくのに最適なプロモーションとしてクラウドファンディングを採用しました。
プレイ動画や大きな画像を掲載でき、メールなどで定期的なニュースを発信することができるポータルサイトとして、クラウドファンディングを利用することは大きなメリットがあります。
支援者の人数や金額から「受け入れていただけている度合い」を共有することができることも非常に魅力的ですね。

普通の通販サイトと違い、人数や金額が見えるので不思議な連帯感を感じられます

なぜボドファンを選んだのか、前作HANIWAを振り返ってどうだったのかなど、この辺りの話はまた機会を設けて色々書こうと思います。

■まとめ

本作「エイリアンG」は、ゆぷまるやアナログゲームフェスタ、BGコネクト、ボドゲガレージにおいて多くの試遊をしていただき、いずれのイベントでも大変好評をいただくことができました。
ご家族に興味をもってもらえるビジュアル、たった3択でもしっかり遊べるゲーム性、押し込むだけでも楽しいという体験、いずれも綺麗にまとめることができた結果だと感じています。
多くのテストをしてくださった皆様にあらためて感謝申し上げます。
まだまだ発展途上の私たちビーランバーですが、今後とも応援していただけるチームになれるよう挑戦し続けて参ります。

エイリアンGのクラファンは10月6日(日)の22時までです。
よければ少しだけでも覗いていってみてください。
楽しい動画や笑えるマンガを用意してお待ちしております。

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