【他の人よりチョット詳しくなれるフィンランドの教育】Phenomenon-Based Learningの諸外国での実践②
前回、PhBLの諸外国での実践で、アメリカ、アブダビ、イラクでの実践を取り上げました!
今回も引き続き、PhBLの諸外国での実践を見ていきましょう!
インドネシアでのPhBL①
高等学校の物理におけるPhBLの経験学習についての調査があります!
10年生(高校1年生)を対象に、斜方投射の概念理解の度合いについて調査したそうです。
PhBLの経験学習を通して学ぶことで、生徒の斜方投射における内容理解は向上したそうです!
ただし、斜方投射の速度と加速度のベクトルについての理解は不十分だったそうです。
経験学習といっても、ただ経験させるだけでなく、学びを深めなくては意味がないなぁと思いました!
とはいえ、PhBLの有効性が少し見えますね!
Yuliati, L., Nisa, F. and Mufti, N.(2020)「Acquisition of projectile motion concepts on phenomenon based physics’ experiential learning 」『Journal of Physics: Conference Series』Vol. 1422(012007)、pp.1-6。
インドネシアのPhBL②
続いて、インドネシアの11年生(高校2年生)を対象にした、PhBLの経験学習についてです。
ここでは、温度と膨張の理解の熟達度について調査したそうです!
PhBLの実践を行い、温度と膨張の理解に関する記述式のテストを行った結果、生徒の概念理解と問題解決能力が、初学者のレベルから熟達者に近いレベルまで向上したということが明らかにされました!
直線状ではなく、網目状に知識がつながるアレですね。
確かに、一方通行で情報を得るよりも、知識を自己で構築しすることで、概念の繋がりや創造性の発揮に繋がりそうなイメージってありますよね!
Santhalia, P. W., Yuliati, L. and Wisodo, H.(2020)「Building students’ problem-solving skill in the concept of temperature and expansion through phenomenon-based experiential learning」『Journal of Physics: Conference Series』Vol. 1422(012021)、pp.1-6。
ノルウェーでのPhBL
これは、PhBLについて、最古の論文だと思われます!
ノルウェー生命科学大学、農業生態学、修士課程でのPhBLの実践についてです!
このPhBLは、経験学習、問題解決型学習、状況学習といった理論から、学生の経験に基づいて、学生の理論的知識の修得を目指して実施されたそうです!
PhBLの内容としては、認知的トレーニングに焦点を当てると同時に、スキルトレーニングの積極的な参加を促進するものであったそうです。
結果として、PhBLの実践の中で、学生とステイクホルダー(おそらく指導教員や評価関係者)は、対話を通して知識の価値を定め、活動や学修の過程で必要な専門知識を取り入れたということが明らかにされました!
同筆者は他にもPhBL関連の論文を書いていますが、読破できていないです…。
Østergaard, E., Lieblen, G., Breland, T. A. & Francis, C.(2010)「Students Learning Agroecology: Phenomenon- Based Education for Responsible Action」『Journal of Agricultural Education and Extension 』16(1)、pp.23-37。
ナイジェリアでのPhBL
あまり詳しいPhBLの実践については書かれていませんが…
ナイジェリアの高等教育機関において、新しいカリキュラムの設計のための調査があります!
フィンランドのNCC2014とPhBLの理論に基づいて、PhBLの実践を行ったそうです!
すごい!意欲的ですね!
その結果、ナイジェリアの高等教育機関においてPhBLを取り入れたカリキュラムでは、
問題解決、批判的思考、創造性、コミュニケーション、協働を促進するということが明らかにされました!
そんな過大評価しなくても…と捻くれちゃいますね。
でもまぁ、それほど効果的なのか!と目を見張るものがあるかなと思います。
Sani, A.(2020)「Phenomenon Based-Learning for Nigerian Higher Institutions: A new Curriculum Approach to meet the Challenges of the 21st Century」Journal of Science Technology and Education 8(1)、pp.1-10。
おわりに
さてさて、ここまでPhBLについて散々のまとめてきましたが、
4月から小学校教員として楽しく生きる私は、
これからどう実践していくのでしょう?
乞うご期待!