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PdMをもっと深く知る_#8_ユーザー自身が解決できることも魅力の一つ

前回はカスタマーサクセスでも重要なオンボーディングプロセスについて見ていきました。
大きな学びは以下の4つでした。

1、プロダクトにオンボーディングプロセスを含める
2、毎日の習慣にプロダクトを溶け込ませる
3、ユーザーへの報酬には倫理観を常に持つ
4、ユーザーの課題解決が目的であり、
自分たちの利益のためだけにユーザーの感情をもてあそんでいないか?
と自問する

今回は、オンボーディングでプロダクトを利用してくれているユーザーが如何にストレスなく使いこなしてもらうか、に焦点を当てています。
文字数:約3,900

参考図書


第2部 プロダクトは顧客体験の中心にある

・ここからはプロダクトを使って顧客の価値を高めるとはどういうことかを理解していく
プロダクトを使って潜在的なユーザーの認知を得る方法から、有料顧客に変えるための効果的なプロダクトの活用まで理解していく
プロダクト主導型組織とは、プロダクトが顧客体験全体の中心に位置づけられる
・典型的な顧客のライフサイクルを時間軸に沿って見てみる
①Top of the Funnel (TOFU)
・ある人や企業が見込み客になったとき
②デモ/トライアル
・試してから買うが当たり前になってきている
・見込み客の最初のエンゲージメントはまずプロダクトを試してもらうこと
③購入/コンバージョン
・トライアルユーザーにROIを証明するのに十分な機能を提供し、もっと使ってみたいと思わせなければならない
④セットアップ/オンボーディング
・有料顧客になると関係性が劇的に変化する
・顧客を「初めて」「期待」から「楽しい」「夢中」という状態に確実に転換させる
⑤アクティベーション
・顧客がプロダクトの魅力を発見し続けるために、早い段階で満足させる必要がある
顧客の期待に早く応えて、それを超えていかなければならない
⑥クリティカルイベント
・関係性における初期段階の目標は顧客に同じことを繰り返してもらう(習慣化させる)こと
⑦アップセル/拡大/更新
・満足した顧客に対してさらに価値を提供できる方法を考える
⑧アドボケイト
満足している顧客は最高のマーケティング担当者であり、ビジネスの代弁者にするために可能な限りの手段を講じる

プロダクト・レッド・オーガニゼーション
顧客と組織と成長をつなぐプロダクト主導型の構築
ISBN 978-4-8207-2955-6 C3055
P23、24、112〜113

8.価値を届ける

◼️カスタマージャーニーの理解

プロダクトデザインの観点から、「顧客が成功をどのように定義しているか」を理解することが大切
なぜプロダクトを買ってくれるのかを理解するには、顧客のペインをどのように解決しているかを理解する必要がある

仮説を検証するには、「プロダクトの中でユーザーがどのような順序でステップを踏んだか」を示すデータが必要
・ユーザーが実行したタスクと、そうしたタスクをどのように実行したいかという観点から考える
「どのようにして最も価値の高い機能に辿りついているのか?」
 「そのジャーニーはどのくらい効率的なのか?」
 「機能を完了するための障害や課題はあるか?」

これらの答えは全て、顧客体験に影響を与える

◼️動線からファネル、フラストレーションの特定
・ユーザーが達成しようとしているタスクと動線を理解すれば、この明確なステップをファネルとして計測する
タスクの完了を最適化するためには、継続的な観察から、UXを微調整する必要がある
・タスクの完了率が低下する場所を特定できたら、なぜ起きているかを問う
・ユーザーの行動を間近で把握するためにもセッションリプレイを利用する
・ユーザーが思い描くジョブやタスク完了までの動線は、我々が最初に思い描くものと必ずしも一致しない

◼️摩擦の特定
・摩擦とは認知的負荷と呼ぶ、余計なステップや体験の中で気持ちが悪かったり直感的でない部分
・どのようなユーザー体験にも摩擦は必ず存在する
・重要なことは、摩擦を完全に無くすのでなく、どこがコンバージョンに至る動線での離脱などにつながっているか理解し、潰すこと

◼️摩擦を取り除く
・リカーリングモデルにおいて、ユーザーはプロダクトの切替が容易になり、顧客維持は成長に不可欠な要素
・カスタマーサクセスの存在が重要になる
B2Bにおいては、顧客との摩擦にはプロダクト内のプロセスだけでなく、関係を築くことも含まれる
プロダクト主導型の戦略は、顧客との継続的な対話に根差しており、カスタマーサクセスは直感や体験に頼る必要がない
潜在的な関係性の摩擦を乗り越えるためには、顧客が求める成果に責任を果たすために『適切な人材を配置する』ことが鍵となる

プロダクト・レッド・オーガニゼーション
顧客と組織と成長をつなぐプロダクト主導型の構築
ISBN 978-4-8207-2955-6 C3055
P158〜170

9.顧客のセルフサービス

◼️サポートの質を測る

・顧客へのサービスの一部は依然として人手を介して行われるが、プロダクト主導型の場合は、サポートや教育、サービスを受ける場所と方法がアプリの中で自動化される

<サポートメトリクスのタイプ>
①チケットメトリクス
・チケットの傾向を見ると、プロダクトがより多くのサポートを必要としている否かが分かる
・チケットの経過時間は、課題の影響度を測るのに役立つ。長期にわたる課題はより大きな組織的な関与を必要とする

②ヘルプメトリクス
・ヘルプをサポートとみなし、ユーザーがヘルプを求めてくることは、プロダクトが失敗したというサイン
・一般的なヘルプシステムはユーザー自身が答えを探す必要がある。ユーザーが一刻を争う仕事中の場合、自分で答えを探すのは困難
プロダクト主導型の場合、プロダクトのインターフェイスに直接、小さなヘルプウィンドウを埋め込むことが多い
・ユーザーが誰であるか、プロダクトのどこにいるかに基づき状況に合わせた表示ができる
これは多様なユーザーにさまざまな機能を提供しているプロダクトの場合、特に重要
・プロダクトの機能を説明する大量のテキストを小分けにして提供するだけでなく、ユーザーにプロダクト内をインタラクティブに歩き回り、ユーザー自身に機能を使ってもらうことができる

プロダクト・レッド・オーガニゼーション
顧客と組織と成長をつなぐプロダクト主導型の構築
ISBN 978-4-8207-2955-6 C3055
P171〜176

◼️ほど良い機能数と丁寧な解説

・「機能病曲線」は機能の過小/過多を把握するもので、ユーザーは少なすぎるともっと機能を望み、多すぎると圧倒されて苛立つ
・ユーザーは過去の経験から特定の用語を理解するようになっており、そうした経験は人それぞれ
・この「言葉」に関する設計上の解決策
プロダクトの中で柔軟な語彙を提供する
 +究極の柔軟性
 +サポートチームの問題把握が難しくなる
 +ヘルプドキュメントの作成がほぼ不可能

プロダクト全体にツールチップを追加する

プロダクト・レッド・オーガニゼーション
顧客と組織と成長をつなぐプロダクト主導型の構築
ISBN 978-4-8207-2955-6 C3055
P176〜178

◼️継続的な顧客教育

・新プロダクトや新機能をリリースする際には、ユーザーに対して、「なぜ従来の方法より優れているのか」「どのような価値をもたらし、どのように動作するのか」を理解してもらう必要がある

<継続的な顧客教育戦略の留意点>
①学習速度はそれぞれ
・楽しく学べるようにする

②ユーザーの居場所に行く
・あらゆるチャネルを使ってさまざまな媒体で新プロダクトを宣伝する

③機能を見せる
・実際に動いているところを見てもらう

④一歩ずつ進ませる
・必要なときに必要な場所でサポートする

<継続的な顧客教育の効果測定方法>
①トレーニングコンテンツへの関与
・顧客のエンゲージメントを計測すべき
・ユーザーが好奇心を持ち、アップデートについて学びたいと思っているかどうかを示す

②サポートチケット数
・重要なアップデートが行われたにもかかわらずサポートの数が増えていない場合は、教育コンテンツが適切であったと考えられる

③長期的な顧客維持
・SaaSにおいては、ユーザーが継続的にプロダクトを使いこなしているかも重要
・顧客維持ら教育効果の結果に近い重要な指標である

プロダクト・レッド・オーガニゼーション
顧客と組織と成長をつなぐプロダクト主導型の構築
ISBN 978-4-8207-2955-6 C3055
P178〜182

<#8_ユーザー自身が解決できることも魅力の一つの所感>

第2部も残すところ、あと1章まで来ました。
このまま今回のnote内にまとめてしまおうかとも考えたのですが、

前回はオンボーディングで丁寧にもてなし、第一印象を高めてもらう
今回は実際に使う中でフラストレーションを少なくし気に入ってもらう

という点で、分けておいた方が後で振り返り易そうと思いここまでとしました。

たしかにSalckやNotion、もちろんnoteに至るまで、近代的なソフトウェアは最初にこれでもか、というほどプロダクトが手間暇かけて丁寧に最初の一歩へといざなってくれます。

そのあとのヘルプは基本Google検索、それでもだめならプロダクトのヘルプが主流です。

自分自身で解決できると最高で、プロダクトを使いこなした気分にもなり離脱率が著しく低下すると思います。

ちなみにアップデートの際にあまりにもUI/UXを変更し過ぎるのは良くないことはUXデザインの法則(ヤコブの法則)で学びました。
是非以下も合わせて見てみてください。


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