生産管理システムを勉強してみた#5
新しいキャリアに挑戦予定
すぐに戦力になれるように生産管理システムについて勉強を開始
第5章も早速開始してみます。第4~11章は関係があるので振り返りを挟むようにします。
参考図書
「第4章 精度の高い最新の需要情報を生産計画で使うためのポイント」の振り返り
かなり話が詳細に入りだしてきました。
4章に限らず常に振り返る事が出来る様に以下は毎回記載しときます。(振り返り重要)
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第1章 生産管理システムが漠然としている背景
第2章 製造業の業態と流れる情報(滞りがちな情報)の整理
第3章 生産管理システムを重要要素で分解し、ユーザーの業態要素との組み合わせ方
※第4章以降は、3-1の生産管理は7つの主要機能で考えるをイメージするとよいです。
第4章 生産計画をコアとした時の、販売管理サブシステム(特に受注)と購買管理サブシステムとの関係(EDI機能含む)
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さて、一気に振り返りしたので、この勢いのまま5章突入します。第4章は↓から
第5章 生産計画の立て方と計画変更への対処
第5章のまとめ
第5章は生産管理システムの7つの主要機能の中でも最もコアとなる生産計画でした。
個人的には5-4辺りから、顧客(工場の現場)側・システム提案側のどちらも経験しているので、かなり熱くなってしまいました。所感読んで共感いただける方が少しでもいれば嬉しいです。
本来5章には5-8までありますが、次章との関連の方が深いので次の回にします。
毎回長い私の備忘メモにお付き合い頂いている方、ありがとうございます。ご興味のあるセクションだけ読んでみてください。
<5-1 要点>生産計画は3つの計画で成り立っている
・製造業の計画を立案するために「生産企画」と「生産計画」の二つの計画がある。
・「生産企画」は経営計画に基づいて生産部門の編成や活動方針が決まる
例)新モデル導入、新工場建設の設備投資など
・「生産計画」は販売計画に対応して生産すべき品種、数量、納期を決定する
・生産計画を構成する3つの計画
①手順計画(Routing):生産の加工順序、作業時間、使用設備、担当者を決めるもの(=工程設計、どう作るか)
工程順序マスタに登録されていく
②工数計画(Loading):作業者や設備の使用時間を算出し、現リソースと調整すること。
工数とは製品の加工や組立に要する作業時間で、人口数や機械工数で利用されている。
③日程計画(Scheduling):各工程の作業日程を計画すること。一般的に生産計画=日程計画。
引用:生産管理システム構築のすべて ISBN 978-4-534-04674-1 P94~96参照
<5-1 所感>
生産企画→手順計画→工数計画→日程計画の順で流れるのが一般的かもしれません。
手順計画⇔工数計画は相当な数のフィードバックループが実施されると思います。生産企画(経営戦略)が現場には制約条件になると思うので、その制約の中でベストプラクティスを探す必要があります。
こうしたベストプラクティスを見つけるための繰り返しの議論でも生産管理システムを導入していれば、過去実績データ、将来予測データを共通のアウトプットとして議論できるので、議論の密度が全く違うと思います。
生産管理システムは製造現場を強くする必須ツールだと思います。
<5-2 要点>生産計画の順次展開
・生産計画の展開ステップは大→中→小日程計画
①大日程計画:需要予測や営業情報に基づいた事業計画に対応した年間の月別生産計画。計画の精度は高くないが方針を見渡す計画。
②中日程計画:月次計画。MRP*では基準生産計画(MPS)とも言われる。生産する製品品目、時期、数量をほぼ確定させ、部品・材料の入手時期を決定し、設備・人材・工具などの手配を計画。
一般に生産計画=中日程計画を指す企業が多い
※MRP、MPSについては次項で説明しますのでご安心を!
③小日程計画:中日程で決めた様に進まない阻害要因が多くあるので、週または日単位で調整し混乱を防ぐ計画(対応)。週または日次単位では「オーダー番号」「品目名」「数量」「製造着手日時」「終了日時」「前・後工程」なとが指示される
・小日程計画の作成方法は2つ
①時点計画法:中日程立案時に全作業の着手・完了時点を「工程(作業者・設備)」単位に割り当てる
②優先番号法:工数計画に基づいて仕事の優先度を決める。現場サイドで計画の微調整を行う場合に用いられる事が多い
・生産計画で大変な業務は計画変更時の調整
引用:生産管理システム構築のすべて ISBN 978-4-534-04674-1 P97~99参照
<5-2 所感>
第4章が生産計画と販売および購買計画との連携が主題でしたが、ここでは生産計画そのものの内容ですね。やっぱりこの絵は常に頭に入れて4章以降は読み進めないと全体の流れを見失いそうです…細かく挿れて行きます!
さて、大→中→小となればなるほど現場寄りになっていく事がよく分かりました。「上の人は何も分からず無茶な指示ばかりだ」と愚痴るよりも生産管理システムでタイムリーな情報共有です。
現場力を強くすることも生産管理システムの上手な運用から得ることのできるものですね。
<5-3 要点>基準生産計画(MPS)の概要
・資材所用量計画(MRP:Material Requirement Planning)と基準生産計画(MPS:Master Production Schedule)
・MPSは、販売部門の受注または需要予測情報をベースに製品在庫、輸送リードタイムを考慮して月次単位の品目別生産量を計算し稼働日で割って平均化する
・MPSにBOMを適用して部品別の所要量展開して必要な部材と数量を算出することをMRP
・MRPから小日程計画への2段階の作業
①山積み:基準日程を基に各工程に仕事を割り振る。生産計画を積んで行くとも言う
②山崩し:各工程の負荷能力に合わせて山積みで割り振られた仕事を均等化する。
・タイムバケットとは「生産を行う時間・期間の単位」
タイムバケットを短縮する事がカイゼンの目的。例)月次→週次単位など短縮すると
+販売計画の精度が上がる
+生産計画の変更が減る
+出荷日指示間隔が短縮され顧客対応が図り易い
+材料発注も間隔短縮により在庫の最適化に寄与
・ラフカット能力計画とはMPSに対する生産能力の妥当性を確認するための計画。MPSの実行可能性をチェックし需給バランス調整を行う粗い工数計画
※MRPは次の6章で説明されるますのでMPSの意味が分かればオッケーです。
引用:生産管理システム構築のすべて ISBN 978-4-534-04674-1 P100~103参照
<5-3 所感>
5-2の中・小日程計画の作り方が説明されています。ちょっと3文字英語ワード増えて来てますね。最終章が終わって時間あれば用語辞典も作成しますね。ただもう次に勉強としてまとめたい本決めってしまってるのでそちらを優先するかもしれないです。
ちなみに本章でも良い説明図がありましたので作図しておきました。ご参考に。
<5-4 要点>生産計画を作っても安心できない理由と対策
・計画は不確定な将来への期待であり、小日程計画段階で現場で歪が生じる
・在庫の運用がキー。
①紐付き在庫:生産に使用する事が決まったもの
②予定在庫:近い将来に入庫予定のもの
③フリー在庫:利用可能(融通が利く)なもの
・生産計画の投入数量は歩留り率を鑑みて割増しておく必要がある。歩留り率を安全目に設定すると余剰在庫が積み重なるため、過去の経験から最適在庫を見定める必要がある
引用:生産管理システム構築のすべて ISBN 978-4-534-04674-1 P104~106参照
<5-4 所感>
繰り返します。現場は上が立てた計画に文句を言いたくなると思いますし、予期せぬトラブルだってあります。計画通り行くことの方が少ないと思います。だからこそ生産管理システムによって現場の苦労を直接データ(ファクト)として共有する事が重要です。上がまたなんかシステム入れるとか言い出した。とネガティブな印象は持たず千載一遇のチャンスとして運用に全面協力する事が長い目で見るとプラスです。(偉そうな言い方で恐縮ですが、ここを変えて現場力強くしたい!ってほんと思ってます)
<5-5 要点>生産計画の攪乱とその影響
・日本では正確な計画作成よりも、計画変更にどう耐えるかを重視し、結果「計画はあてにならない」となる
・理由はお客様は神様と言うマインドがムリを計画にねじ込ませてしまう
・計画の撹乱要因が発生する2つのフェーズ
①計画フェーズ:納期、数量、仕様変更、キャンセル、飛込案件など変更凍結後になんだかんだ変更せざるを得ない事がある。
②実行フェーズ:欠品、不良品、納期遅れ、設備故障、追加工、人員の欠勤などが起因して計画が撹乱する
引用:生産管理システム構築のすべて ISBN 978-4-534-04674-1 P107~109参照
<5-5 所感>
新卒の新入社員のときに工場現場で作業していたことを思い出します。もうほんと著者の言う通り過ぎです。
計画よりもルールが重要です。計画を撹乱する変更凍結後の変更を許さなければかなり改善します。一つの綻びが全て壊します。
顧客にも営業・製造が一丸となって「できません。変更した場合は納入は◯ヶ月遅れます」と言えばいんです。簡単ではないですが全体最適の目線が重要です。
<5-6 要点>生産計画の確定(凍結)と計画変更への対応
・タイムフェンスとは、計画の変更ができない凍結期間
・タイムフェンスが長いと競合との競争力を弱める、短いとフレキシブルではあるが大量の在庫が必要
引用:生産管理システム構築のすべて ISBN 978-4-534-04674-1 P110~112参照
<5-6 所感>
5-5でアツくなってしまい、所感で語ってしまった内容ですね。すみません。重要な項目です。
ちなみに本書ではタイムフェンスを無視した変更に対応する方法が記載されていますが、敢えて記載してません。ルールは守りましょう。
<5-7 要点>生産ロットと段取短縮の考え方
・ロット生産とは、同じ製品をある程度まとめて生産し、効率化すること。
・ロット数を決める期間は長くすればするほど生産効率は上がるが滞留在庫になる
・近年では消費者ニーズの多様化・個性化が進み多品種少量生産が進み、小ロット化も進んでいる。その分品種切り替え時の段取時間の短縮が重要
引用:生産管理システム構築のすべて ISBN 978-4-534-04674-1 P113~115参照
<5-7 所感>
小ロット化がトレンドとなり、工程間の段取時間短縮が重要。と言う点においても生産管理システムは必要不可欠です。
設備・作業者の稼働履歴をモニターする事でカイゼンの種は多く見つかります。ただ作業者・設備のモニタリングと言うエッジ側からの提案は限界があります。
生産管理システムと言う上位概念から丁寧にエッジ側の提案に進める事が不可欠です。
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