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対話の場から生まれてきたもの 2024/06/20-2

日常の様々な場面で、対話的な関わりが広がるといいな、と願いながら関わっているダイアローグの場がいくつもあります。
対話の場では、一人では至ることのできない気づきや学びがたくさん生まれてきます。

今回は、「聴くこと・話すことのプラクティスを重ねてきた方々との対話の実践の場」(2024/06/20 夜)でのふりかえりを兼ねて、印象に残ったフレーズを中心に残しておきたいと思います。


●いつの間にか「話を持っていかれる」

わたしのことを話していたのに、いつの間にか相手の話に置き換わっていて、話を持っていかれたように感じる体験をしている人は少なくない。
みんな、自分の話をしたい、自分の話を聴いてほしいんだね。

●「人の話を聴きましょう」

小学校では「人の話を聴きましょう」と教えられる。
社会に出ると、「結論を先に」「的確に」「要点をまとめて」話すことが重要視される。聴くことに触れられることは少ない。
職場でも日常生活の中であっても、こちらが話している途中なのに、相手から言葉をかぶせて語られて、最後まで話せないことも多い。

●話を聴いてもらった体験

対話の場に初めて触れる方が参加された場合、話し過ぎると本人も周囲も感じることが多い。
日常の中での会話では、しっかりと自分の話を受け止めて聴いてもらえる体験は少ないのかもしれない。たとえ家族などの身近な関係においても。

まずは、しっかりと耳を傾けて自分の話を聴いてもらえた体験を通して、話を聴いて受け止めてもらえることが、自分自身にとってどんな意味を持つのかを味わうことが大切なのかもしれない。
その体験の中から、自分もこのように人の話を聴けるようになりたい、という想いがわいてくる。
そうすると、自発的に人の話に耳を傾ける姿勢が生まれてくるような気がする。

●職場の会話

職場のヒエラルヒーのためなのか、問題を解決することが求められるためなのか、「一つにまとめる」ことが優先される。
違う意見が出ると否定される、批判される。
よい関係であるためには、その場にいる「居方」というか、その場にある気持ちや心持がすごく大事な気がするんだけど、ハナから否定されると、厳しいなぁ。。。

●話をしない人、あまり話さない人

職場など組織の中では、水を向けられても話さない人がいる。「話したくない人もいるだろうから」「それも一つの選択肢」「話したくない時もあるよね」と「相手を尊重して」そのままになってしまうことも。
でもホントは、話したくないと感じるようになった背景や体験があるのかもしれない。
何でも話せるような関係ができたらいいな。

●話のテンポ

会話にスピードが求められると、余裕がない心の状態になる。
しっかり受け止めて自分の中で咀嚼して、言葉になるまでには時間がかかる。
自分はホントは何を言いたいんだろうと、タメる時間がある。
発話しようとするときには、もうすでに次の話題が展開していて、周囲からは「何も言わない人」とみなされる。
何も考えてないわけじゃないんだけどなぁ。。。

●思いを言葉にすること

話したいと思っても、言語化できない。
こういう対話の場では、応答してもらうことで、「あーそうか」「そういうことを言いたかったんだ」と気づくことができるけど…

●スピード感のある話し合いでの決定

反射的に反応して、言葉がポンポン飛び交う会話は盛り上がっているように見える。
スピード感もあって、ノリもいいし、物事も決まっていく。
けれど、深く考えていないので、あとから粗(アラ)がたくさん出てくる。
ちゃんと考えれば、事前にわかることなのに。。。
事後の対応などに時間がとられて、効率も悪い。
「集団浅慮」というのかな。

●「応答」と「反応」の違いは

「反応」は、反射的に自分の過去の体験や価値観から、自分のスタンスを表出する。「私ならでは」の内容になる。私は何ものなのだろう?
「応答」は、相手の言葉を受けて自分のおなかの中をくぐらせるような感じ。少し時間もかかる。
トム・アンデルセンの「会話哲学の軌跡」の表紙絵が浮かんできた。

●職場の不満を聴く

子供を寝かしつけて、やっとホッとしてゆっくりできる「私の時間」と思ったタイミングで、ダンナが帰ってきて職場の不満を語り始める。
「あぁ、またか」「しんどい」と思ってイライラしながら聞いてしまう。
早く終わらせたいので適当に受け応えして、「こうしたらいいじゃん」と解決策をポンポンと投げかけてしまう。すると相手の言葉が荒くなってくるし、時間がとても長くなる。
こちらが「あなたの味方だよ」「話を聴きたいよ」と、しっかりと相手の気持ちを受けて止めて聴けているときは、相手の表情や雰囲気が緩んで、穏やかに語ってくれて、時間も長くならないんだけどなぁ。

●時間の長さ

例えば15分と決められた時間の枠の中で話をしても、すごく濃密な内容の詰まった時間になったり、スカスカであっという間に終わってしまったり・・・聴き方や関わり方によって時間が伸びたり縮んだりするように感じた。
時間って伸びるなぁ!

●対話の時間の居場所

安心・安全ってどこから来るんだろう?
テンポも捉え方も、ひとそれぞれ。
だけど、それぞれに居場所がある時間だったなぁ。

20240620 対話の聴く話す場 応答編2024 対話の実践会(夜コース)より

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むらおか やすひろ@組織プロセスコーディネーター/ ダイアローグ・ファシリテーター
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