花粉と退職メールが飛び交う季節

~安井コラム#57~
どうも。タイトルで微妙にうまいこと言ったと思ってしまった安井です。

今日は、退職メールにまつわる話。
※リアリティを出すために、ほぼ原文のため、長文になっています。
なので、言いたいことを先に言うと、

1つ1つの行動の背景をしっかりと理解した上で、自分も行動しよう

皆さんはこんな「お世話になりました」メールを見たことがないだろうか?

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お世話になった皆様へ
※本メールはXXX内でお世話になった皆様にBCCでお送りしています

お疲れ様です。XXXです。

私事で恐縮ですが、3/31日付でXXXを退職することになりました。
本来であれば直接ご挨拶と御礼に伺うべきところですが、本メールにてご挨拶とさせていただきますことをご容赦ください。

2016年10月に入社し、これまでXXX、XXX、XXXのPJに参画させていただきました。
至らない点で皆様に御迷惑をおかけし、自分自身心苦しいなと思う時期も多々ありましたが、
今日までやってこれたのは皆様のおかげですので、感謝の念でいっぱいです。
本当に有難うございました。

これからも東京にはおりますので、お会いする機会がございましたら何卒宜しくお願い致します。

最後になりましたが、皆様のご活躍、ご検討をお祈りしております。

【今後の連絡先】
XXX-XXX-XXX
XXX@XXX.co.jp

XXX
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これから言いたいことは、この定型的なメールが悪いということではなく、
何の意味を持っているメールなのか、それにあったメールになっているかを考えていますか?ということです。

僕はこのメールを見たときに、「あ~XXXさん辞めるんだ」で終わった。
もし、僕よりもXXXさんと深い関わりを持っている人がいたら、最後の「今後の連絡先」に記載されている番号を登録しているかもしれない。だからこのメールが意味ないものだとは思っていない。

しかし、今後も連絡取りたいと辞める側が思っているならば、辞める側からアクションするのではないだろうか。という疑問が浮かんだ。

もし、退職するから礼儀的に送ったならば、読み手の時間と、ストレージを食っている何の価値もないものと認識して送るべきであると思う。

感謝の気持ちを伝えたい、これからもコミュニケーションを取りたい等、人に伝える目的があれば、このような定型的なメールにはならないだろう。

これらを踏まえて、今月末で辞める俺は、今後も飲みに行く比較的仲が良い人達には、基本的にはチャットで報告し、
お世話になった2グループの方たち(先輩方)には、それぞれに向けたメールを作成している。作成途中の1つのメールを今回紹介する。
背景を少し説明すると、新入社員で初めて現場に出たときにお世話になった方へのメールで、
当時の僕は、学生感ぷんぷんの何もできないビジネスマン。
(文内のB/Nは、新入社員と読み替えてもらって構いません。)

構成としては、この5つ。
A:冒頭の挨拶
B:感謝
C:活躍
D:言いたいこと
E:締めの言葉

テクニックというか、少し考えたことは、A:冒頭の挨拶と、D:言いたいことに持っていくためにB⇒C⇒Dの流れ。ではでは、メールへ。

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XXX PJでお世話になった皆さま
お久しぶりです。安井です。

このメールを開いた瞬間、「いきなりなんだ、まだ辞めてなかったのか」と思った方もいるかと思います。
安井は今月末でXXXを卒業します。

皆様には本当に迷惑をかけてしまっていたと感じると同時に、
大切なことを得るきっかけを与えてくださったと思っており、ここで改めて感謝の気持ちを伝えさせてください。

皆さまからしたらすごい迷惑だったと思いますが、4年前に大学を卒業してXXXに入社した私が成長し、
後述の”活躍”ができたのも、皆さまのおかげだと思っています。
“文章の書き方”や“電話の取次ぎ”に関する教えから始まり、
皆さまからビジネスマンとしての基礎知識を叩きこんで頂き、悪戦苦闘しながら、
自分で考えて行動して(+怒られて)学べたことは、非常に意味のあるものだと感じています。
XXX以降の様々なPJで、文書を書いたり、クライアントとMTGすることがありましたが、力が付いたことを実感することができました。本当にありがとうございました。
(時にあのXXX時代のようなFBがないことに物足りなさを感じたこともありました。笑)

少しばかり、XXX PJ後のXXXでの“活躍”について話をさせていただきますと、
SIにおける要件定義~運用までを経験し、以下のように、様々なことを経験させていただきました。
・サブリードとして、知恵クライアントの経営層向けにBI画面を作成する。(クライアントのグローバルCFOに「問題ない」と言われた)
・クライアントの部長クラスとディスカッションをし、システム要件を握る。
・タイトスケジュールの中、Pythonを用いた開発をスケジュール通りに完了させる。
・XXXが特許を持つ、XXXのロジック改善チームの一員として、データ分析、およびシミュレーションを行い、現行ロジックよりも精度を高めた。

皆様のご活躍に比べたら、大したものではないと思いますが、
あの安井が、皆さまのおかげで、ここまで成長することができました。
皆さまからの教えを、自分の成長のためだけでなく、会社に還元することができ、非常に嬉しく、誇らしく思っております。

折角皆様に挨拶するきっかけができたため、締めの言葉に移る前に、
おこがましいですが、感謝以外のことを伝えたいと思います。

「頑張ることをしないB/Nが最近いる」ということを聞いたことがあります。

昔の話になりますが、XXX時代に、XXXさんから私に伝えていただいたことで、
「調子に乗ってみな」という言葉が、私の行動を劇的に変える言葉となりました。
言葉も素晴らしいのですが、今の私が関心していることは、
『しっかりと人を見て、判断し、アドバイスをしている』ということです。

当時の私は、右も左もわからない状況の中で、ミスをしないようにと行動してしまい、
逆に畏まってしまうことが多々あり、自信なさげに振舞うことが多々ありました。
そんな私に、XXXさんから「調子に乗ってみな」という私の心を支える言葉を頂き、
右も左もわからない状況にいるからこその強みや、自分の強みについて考え、
少しだけ仕事で貢献する行動が取れました。

ここで、「頑張ることをしないB/Nがいる」という話に移ります。
私の主観も混じっているますが、誰しも、特に若手は、やり方が間違っているかもしれないが、自分なりに頑張っていると思います。
皆さまのように、経験豊富で視野が広い方たちは、「個々に合わせえてアドバイスをする」ということを意識せずにできていると思いますが、
社員数が増えた今、中には自分の尺度で、「最近のあのB/Nは頑張っていない」と判断している人がいるように思えます。
そんな方を見つけた場合、ぜひ見て見ぬふりをするのではなく、
「あの安井も頑張って成長したように、このB/Nもきっと頑張っている最中。上の人の導きが必要」と思っていただき、
そのB/Nをみてあげ、アドバイスしていただきたいと思います。
きっと、僕よりも早く芽が出て、花が咲き、結果的に会社がもっと良い方向に進むと思います。

感謝の言葉の後に、締めの言葉に移ろうと思いましたが、長文になってしまいました。
お忙しい中、ここまで読んでくださり、ありがとうございます。

最後になりましたが、皆様のご活躍、ご健闘をお祈りしております。

安井

XXX@XXX.com

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A:冒頭の挨拶

ライティングに関するどんな本にも書かれていることだが、
どんな文章でも、『誰も自分が書いた文を読む気はない』ということを絶対に頭に入れた上で書くことがとても大事である。
だから、普段のメールでも「お疲れ様です。XXXです」なんて書いている暇があったら、
どうやって読ませる文にするかを考えた方がいい。

今回は、4年ぶり位の久しぶりのやり取りであったため、「お久りぶりです」を入れ、そこから勝負を仕掛けた

このメールを開いた瞬間、「いきなりなんだ、まだ辞めてなかったのか」と思った方もいるかと思います。

冒頭で、少し練ることで、なんか普通の退職メールではない雰囲気があるし、
競争が激しいコンサルの世界であの"安井"が4年くらい頑張っていたのか、どんだけ成長したのかな、と読み手(メールの宛先)に興味を持たれるようにした。

上記のメールのように特に捻る必要がないが、どんなメールでも最初の1文で相手の時間を確保する努力
つまり、相手の関心を惹くことを絶対にしなければならない。
(普段のメールで結論ファーストでやることもこういう意味である)

D:言いたいことに持っていくためにB⇒C⇒Dの流れ

今回一番言いたいことがDである。折角、場を与えられたのだから(勝手に作った)
相手にとって意味あるモノにしたいと思う。(←皆もそのように思わない?)

しかし、読み手(メールの宛先である先輩方)は、若手のぺーぺーが立派なことを言っても、刺さらない。
それは、きれいごとであったり、何言ってんのこいつ。となるからだ。
(皆も、ニートがこの日本は終わっている騒いでも、そうかいそうかいと思うだけだろう)

そのため、読み手が主張を受け止める土台を作る必要がある。
みんなのおかげで「成長」できたよ。「実績」見てみてよ。でしょ。じゃあこの実績がある俺の意見を少しは聞いて。という流れにした。
※十分な実績ではないが。笑

感謝以外で、言いたかったことは、
多様化の時代&会社が猛烈なスピードで成長して社員数が伸びているという背景で生まれる
最近の新入社員は頑張っていない』問題について。
なんでこんなことを言っているかは、自分が言うべきだと判断したからだ。
それは新入社員に1番近い立ち位置にいるのは自分だからであり、彼ら自身では得ることができない有益な情報だからだ。


まだこのメールを送っていないし、今思えばこんなメールを見たこともないから、何が正しいかわからない。

でも、自分で考え、何らかの意味を持って行動した分だけ、それなりのアウトプットができる。
行動しないと得ることができないインプットもできる。

定式化されたことを疑い、自分なりに行動してみると、なんだかおもしろくなってくる。
たかが、1通のメールでも。

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