650ページ超えの『創始者たち』を読んで
本書は、ペイパルの成功物語だけでなく、壮絶な社内外の争いやキーパーソンの生い立ちなど、幅広い視点から描かれた小説のような作品だ。特筆すべきは、イーロン・マスクやピーター・ティールといったメディアでよく取り上げられる人物だけでなく、ペイパルの共同創業者であるレベチン氏やベンチャーキャピタル、競争相手でありながら仲間となったイーベイのメンバーなど、多岐にわたるステークホルダーへのインタビューが作品の基盤となっていることだ。その結果、読者は多角的な視点から物語を知ることができる。