Prospect Smackdown Ricky Tiedemann vs Kyle Harrison
どうも、ヤスです。
先日、MLB pipelineにこんな記事がアップされました。
LHPのピッチングプロスペクトをランキングづけしたものですが、我らがRicky Tiedemannが2位なのです。1位はサンフランシスコ・ジャイアンツのKyle Harrison。
そして、プロスペクトランキングTop100も発表されています。
Tiedemannは32位、Harrisonは18位でした。
これを見た私はこう思ったのです。
MLB pipeline、ホンマか?
ホンマにTiedemannよりHarrisonの方が上ってか???
ということで、この2人を比較してみました。本当にTiedemannよりKyle Harrisonの方が上なのか、検証してみましょう。
Kyle Harrison 基本プロフィール
Tiedemannのプロフィールは私の別noteを見ていただくとして、Harrisonのプロフィールを見ておきます。
フルネーム:Kyle Christpher Harrison
2001/8/12(21歳) カリフォルニア州サンホセ出身
投/打 L/L
2020年ドラフト3順目全体85位でサンフランシスコ・ジャイアンツ(SF)に入団
・vs ファストボール
Tiedemann=Harrison
球速帯で言うと、Tiedemannは最速98マイル、平均93〜95マイル、Harrisonは最速97マイル、平均だと94マイル。ここは同等程度と言っていいでしょう。
ボールの質は少し違いまして、Tiedemannはヨコに動きがあるタイプ、Harrisonはスピンが効いたタテ変化タイプです。
0:19〜23あたり Tiedemannがファストボールで三振を奪っているシーン
Harrisonが9Kのうち6つをファストボールで奪っている登板
・ vs 変化球
スライダー Tiedemann < Harrison
チェンジアップ Tiedemann > Harrison
MLB pipelineの評価を見ると、スライダーはTiedemannがグレード55、Harrisonは60。
チェンジアップはTiedemannが70、Harrisonは55となっています。
スライダーは両選手ともヨコ変化のボールで、Tiedemannは大きくヌルッとした変化、Harrisonはシャープな変化をするタイプでしょうか。(上記映像に何球かスライダー映像あり)
チェンジアップに関して、Tiedemannは9歳から投げ始めたというボールで、メジャーレベルでも決め球になりそうです。一方のHarrisonはチェンジアップの握りを試しているようで、まだ安定して使うには至っていないようです。
総合的な変化球評価ですが、Tiedemannに軍配を上げます。決め手はチェンジアップの扱いです。
LHPは絶対数的に右打者と多く対戦することになりますが、そこで重要になってくるのがチェンジアップ。アウトコースに沈むように使うという、攻め手をひとつ増やせます。これが既にハイレベルなTiedemannと、まだ完成には至っていないHarrison、というのが理由です。
・ vs 制球力
Tiedemann > Harrison
ここは四球数というより、BB/9(9イニング換算で何個四球を出すか)で比較するのがよいでしょう。Tiedemannは3.3、Harrisonが3.9。わずかにTidemannが上ですが、大きく差はついていません。MLBでエース級になるには2人ともさらに向上が必要な部分です。
・ vs 奪三振力
Tiedemann < Harrison
これもイニング数の違いで比較が難しいですが、K/9(9イニング換算で三振をいくつ奪うか)を使います。Tiedemannは13.4、Harrisonは14.8。どちらも非常にハイレベルですが、ここではHarrisonが勝利。
・ vs リスク面
HarrisonはTiedemannより、少しだけリスキーだと考えています。それはチェンジアップ、制球力、被ホームランです。
チェンジアップは変化球の項目で述べたので省きます。制球力に関して、2人ともリリーバー転向はないレベルですが、BB/9が4近いHarrisonがわずかにリスキー。
ホームランに関して、Tiedemannは78.2イニングで3本、Harrisonは113イニングで13本。これは軸となるフォーシームの質がそのまま表れていると思っていて、Tiedemannはヨコに動いて打者の芯を外せるので長打リスクを軽減しやすく、Harrisonはタテ変化なので三振を奪いやすい反面、コンタクトされると長打リスクが上がります。マイナーレベルではまだいいですが、MLBレベルともなるとこれが大きく出てくる可能性はあると思います。
あと考えられるリスクといえば健康面ですが、2人とも大きな怪我はないので、これはどちらも同等でしょう。
・結論
結論として、TiedemannとHarrisonはほぼ同等レベルと考えます。能力的に大きな差はありません。
現状でもMLBレベルである程度通用しそうなのがTiedemann、制球力の向上と、チェンジアップが完成したときスターターとしての天井がより高いのがHarrison、と考えます。
これは私見なのですが、MLB pipelineにおける2人の順位付けは、シンプルにHarrisonのパフォーマンス量(イニング数)を評価したのかな、と思いました。
Tiedemannはプロデビューイヤーだったことでかなり慎重にイニングを管理されており、去年のフューチャーズゲームあたりの期間で、1ヶ月ほど登板がなかった時期がありました。これによるイニング差が評価として出たのではないでしょうか。
ブルージェイズファンとしての贔屓目もあるのは重々承知ですが、順位付けほど大きな差はない、ということだけ言わせてください。
誤解なきように言っておきますが、Kyle Harrisonも非常に楽しみな選手です。特に彼が高めにフォーシームを投げ込んで三振を奪うところは、見ていて非常に気持ちのいいものがあります。
いつかTiedemannとHarrisonが投げ合う日が来ればいいなぁと思っています。
トップ画像は@MLBpipelineより