撮れる! 認知される!? 10万円ではじめるコスプレイベントカメラマン入門
「推し」のレイヤーさん、撮ってみたいですか?
綺麗に撮って、「認知」されたくありませんか?
こんにちは、氏家(@yasu42 )です。
世のイベントにも活気がだいぶ戻ってきました。
夏コミの大盛況は記憶に新しいところでしょう。
コスプレイベントも例に漏れません。
夏コミ、ワンフェスを経た今、近くの大イベントは「池袋ハロウィンコスプレフェス2023」ですね。
池袋という立地もあり、コスプレオンリーのイベントとしては現状、もっともメジャーなものではないでしょうか。
というわけで今回は「撮れる! 認知される!? 10万円ではじめるコスプレイベントカメラマン入門」をお送りします。
そんな方向けの内容になっています。
予算もトータル10万円と比較的お手頃に設定しました。
カメラ関係は油断するとすぐ数十万〜百万円のオーダーにいってしまうので、まずは予算を決めてからというわけです。
イベントは池ハロを想定。
おわかりとは思いますが、初心者の方向けの内容になっております。ご了承ください。
手元に機材モリモリのみなさまはお好きにどうぞ。
では、はじめましょう。
1:なにが必要なの?
撮影に必要なものは
この3つですね。
カメラ本体とレンズは言わずもがな。
ライトについては、イベントでは現状必須です。
なにせ池ハロはエリアが広い。
ビルに囲まれているため、一日中日影の場所も珍しくありません。
晴れた日ででもライトは絶対に必要です。
「レイヤーさんが暗いところにいるから明るくして撮る」
これだけでも写真の綺麗さはぜんぜん違ってくるんですね。
簡単に比較してみましょう。
窓際にカメラを置き、まったく同じ設定で撮影。
データは加工していません。
上が撮っただけ、下がそこにライトを加えたものです。
背景が明るい場合、撮っただけだと真っ暗になってしまうんですよ。
そういう時には、ライトを入れるのはほぼ必須なんですね。
その場にある光はもちろん大事ですが、自分でプラスアルファする癖をつけておくと本当に楽になります。
どんなライトを買えばいいかは後述します。
では、具体的に見ていきましょう。
2:2023年編、予算10万円で揃える撮影機材
【カメラ本体】
名称:α6300パワーズームレンズキット
価格:中古良品で7〜8万円
さっそくですが、カメラ本体とレンズはまとめて買ってしまいましょう。
キットレンズ、というやつです。
カメラ本体とレンズが同梱されている形ですね。
今回おすすめするのは、α6300パワーズームレンズキット。
既に生産終了しているカメラのため、中古カメラ・レンズ検索サイトへのリンクをはっておきます。
まずはボディについて。
発売は2016年。
7年前かよ、と思うかもしれません。
7年といえば結構な時間、最新機種と比べればそれは見劣りするところもあるでしょう。
しかし本機、コストパフォーマンスで考えると素晴らしいものがあります。
7万円強で
とてんこ盛り。
しかもこれでレンズがセットなんですよ。
入門には最適な一台と思います。
また、センサー性能ーーつまり、デジタルカメラの「写り」ははここ数年で頭打ちしています。
正直なところ、2023年最新の同型カメラと大きな差はないと言っていい。
どんな写りをするのか、世界最大の写真サイトflickrを見てみましょう。
flickrには”Camera Finder”というページがあり、各メーカーのカメラごとに写真を見ることが出来ます。
見ておわかりでしょうが、これだけ撮れれば十二分という写りです。
少なくとも、「イベントで推しを綺麗に撮る」目的ならまったく問題がありません。
続けて、レンズに移りましょう。
【レンズ】
名称:SONY E PZ 16-50mm F3.5-5.6 OSS(SELP1650)
価格:パワーズームレンズキットに含まれています
α6300のキットレンズ。
つまりは、入門用のレンズとなります。
スペックは控えめです。
小型軽量で取り回しがいいですが、反面、飛び抜けた個性はない。
「暗い」レンズのため、デジカメらしい、ボケまくる写真が撮りづらいのも確かです。
しかし、ボケだけが写真ではない。
特にイベントでの撮影となれば、何より大事なのは「正確に動作し、ちゃんと写ること」。
その意味でのこのレンズは必要十分です。
キットレンズは入門用のレンズ。
だからこそ、手軽に扱えてちゃんと写ることが求められるわけですね。
同梱されるにはそれなりの理由があるんですよ。
画角でいうとフルサイズ換算で24mm〜75mm。
ピンとこないかもしれませんが、建物や風景からレイヤーさんのアップまで、だいたい一通り撮れると思ってください。
まずはこれを試してみて、予算に余裕があれば買い直したり買い足したりすることをおすすめします。
【ライト】
名称:GODOX TT350S
価格:約11,000円
最後はライトです。
LEDライトも流行していますが、ストロボを買っておくのがやはり安定でしょう。
カメラの上や近くでピカピカ光るあれです。
持ち運ぶのも楽ですしね。
ただ、ストロボ、特に純正のものはかなり高い。
元々の価格に加え、円安物価高もあって1〜2年前に比べるとかなり高騰しています。
今回の予算内で考えると、GODOX TT350Sをおすすめします。
メリットは
この3つでしょう。
特に小型軽量さは驚くほどです。
α6300自体が小さめのため、非常にマッチングが良いです。
反面、光はあまり強くありません。
例えば「逆光でギラギラしている太陽を打ち消す」のは無理でしょう。
しかし「日影や暗い場所を明るくする」には十分です。
特に池ハロは、夕方近くになるとだいぶ暗くなってしまう。
そういう時に真価を発揮するでしょうね。
何より、TTL調光が出来るのが素晴らしい。
TTL調光とは要するに「自動で明るさを調整してくれる」機能です。
最近のTTLの精度は素晴らしく、ほぼストロボ任せで問題ありません。
よほど慣れていない限り、人間よりよほど上手にやる、といえます。
ただでさえイベントはやることが多い。
出来ることは機械に任せておくのがベストですね。
なお、TT350SのSはSonyのこと。
他メーカーのカメラを使っている方は注意して下さいね(キャノンならTT350Cとなります)。
自分のカメラに対応したものを買いましょう。
ストボロについては本を一冊書けてしまうほど奥が深いので、おすすめの書籍をnoteの最後で紹介しておきますね。
【アクセサリー】
名称:HAKUBA クリップオンストロボディフューザー 2WAY
価格:2000円
ストロボの光は原則として直進します。
そのため、とても「硬い」んですね。
「硬い」というのはイメージしにくいと思いますが、要するに影が強く出ちゃうんですよ。
直射日光だとくっきりはっきり影が出ますよね? あれです。
ディフューザーは文字通り、この光を拡散してくれるアクセサリーです。
曇りの日って、上の写真みたいな影が出ませんよね。
あれは雲が太陽の光を拡散してくれているからです。
ディフューザーはいわば「小さな雲」なんですよ。
ただ、ディフューザーには種類が多い。
数百円のものから、専門家がスタジオで使う数十万円ものまであります。
イベントに持っていくなら、今回取り上げたようなお手軽装備がいいでしょう。
もう一度リンクをはります。
慣れたカメラマンなら「昔見たやつw」と笑いたくなるかもしれません。
しかしバカにしたものでもない。
ストロボや太陽光直射に比べれば圧倒的に良い。
何より、ストロボにつければOKという手軽さは他に変えがたい。
コンパクトで安いのもポイント。
壊れても「次買えばいいや」が出来るのは正義です。
無理に高いものを買うことはありません。
まずは手の届く範囲で、使いやすいものを選んでいきましょう。
3:イベントでどうやって撮るの?
カメラとレンズとストロボを準備した。
ディフューザーをつけた。
イベントに参加して、推しのレイヤーさんの撮影列に並んだ!
さて、そこからどう撮るか?
まずは周りを見てみましょう。
みんなスタンドを立てているかも知れません。
スタンドの先にストロボをつけて、やたらと大きい傘や白い箱をくっつけているかもしれません。
仲間同士でライトを持ち合いしていることも多いでしょう。
大丈夫です。
周りを気にしすぎないでください。
ベテランのやり方に惑わされないでください。
彼らのやり方なら綺麗に撮れます。
それは間違いない。
私だって時間と環境が許せばスタンドを立て、傘をセットし、光を細かく調整して撮影します。
しかし、慣れてからにしましょう。
まずは、手持ちの機材でいかに綺麗にとるかだけを考えましょう。
人間の扱える変数には限りがあります。
ましてやはじめての経験ならなおさらです。
「カメラを設定して、スタンドたてて、ストロボ設置して、ソフトボックスも組み立てて、光を調整して」はあまりに変数が多い。
つまりは難易度が高い。
無理にあれこれ手を出すくらいなら、自分の出来る範囲で頑張った方が絶対に良い結果になります。
例えば昨年撮影したこちら
(なぜかセンシティブ判定になっているのでクリックしてみてください)
これはストボロを直接つけてディフューザーをかましただけです。
イベントまでに、自分の装備で撮影して経験を積んでおくのをおすすめします。
ぶっつけ本番はこわいですしね。
今だと撮影会に参加するのがベストでしょうか。
特に街中の撮影会だと、スタンドなど立てられない。暗いところで撮りたければ、ストロボを直接つけることになります。
そういう場面ので数をこなすのが良いでしょうね。
4:予算がもうちょっとある人へ
予算には余裕がある、という方もいるかもしれません。
せっかくだしあれもこれも揃えたい、という時もあるでしょう。
ですが最初は、「10万円」のように予算を決めることをおすすめします。
機材沼、という言葉があるように、カメラ機材は揃え出すとキリがありません。
この沼は本当に深く、一度ハマるとなかなか抜けられない。
コレクター気質の方は特に注意した方がいいでしょう。
私も一時期は買って売ってを繰り返していました(だいぶ落ちつきましたが……)。
お金以上に問題なのが時間です。
色々な機材を買ったり、試したり、情報を集めたりしていると、驚くほどの勢いで時間が溶けていきます。
試しにYouTubeの機材レビュー動画を見てみましょう。
もしあなたに機材好きの素質があれば、音速で時間がなくなってしまうはずです。
情報をひたすら集めているのと、不慣れながらも撮影してみるのと。
どちらが上達するか考えるまでもありませんよね。
時間とお金は
などなど、経験に使った方がいい。
遠方から池ハロにいくなら、ちょっと良いホテルをとってしまうのもいいでしょう。
正直な話、今は機材による差が少なくなっています。
もちろん機能的なことを言えばキリがありませんが、入門用のカメラで素晴らしい写真が撮れるのもまた事実です。
なので、経験を積んだり、仲間とコミュニケーションとったりするのにコストをかけるのが良いですね。
なお、本題から逸れるので深くは言及しませんが、今の写真撮影環境だと「仲間」はとても大事です。
無理することはありませんが、特に抵抗がないなら色々な人と親交を深めるのがいいですね。
オンラインサロンに入るのも手ですが、最近はやや下火の印象。
まずはSNSでの交流から始めるのをおすすめします。
5:まとめ
「撮れる! 認知される! 10万円ではじめるイベトカメラマン入門」いかがだったでしょうか。
最後に紹介した機材をまとめておきます。
文中の再掲となりますが、超大手のマップカメラも参照してもらえるといいかと思います。
○α6300レンズキット
○ストロボ
○ディフューザー
○おすすめのストロボ本
良書。
記述が具体的かつ親切でとてもわかりやすいです。
家族写真や料理写真メインですが、基本を掴むという意味で一読をおすすめします。
では、今回はこのあたりで。
何かご質問などあればコメントくださいね。可能な限り回答させていただきます。