芸人は、片方の権力を担いじゃいけない。全ての権力をバカにするから芸人なのです。
爆笑問題の太田光さんが顕著に実践していますね。
与党であろうが、野党であろうが、
全ての政治家に馴れ馴れしく接し、
小馬鹿にします。
漫才にしても、トーク番組にしても。
「コメディアン」という存在は、
そもそもが、
トランプでいうジョーカーです。
突然現れたと思うと
ゲームをひっくり返していくのが
ジョーカーです。
私達の社会でもこの役割を果たしているのが、
芸人であり、コメディアンというものです。
ジョーカー=芸人
芸人を語っている人の中に、
何人この社会的な役割をルーツとして、
知っている人がいるでしょうか。
日本においては、
落語家などが挙げられますし、
立川談志なんかはまさにそうでした。
30代で政治家になり、
途中で辞めるということもやってのけました。
芸人は常識を覆すことが使命です。
途中で辞めるなんていうのは、
常識外れですが、犯罪ではありません。
そこです。
犯罪でも無いのに、
常識という枠にハマっている集団心理を
ぶっ壊します。
何でそんなことをするか?
答えはこれです。
「芸人だから…。」
古くからこの様な性質の存在は、
「トリックスター」と呼ばれ、
新たな秩序を生み出す役割があるとされています。
物事が壊れて、新しい文化が生まれる。
結果的に、
そんな、きっかけ作りを担っていますが、
当の本人はそんな大きな大義名分を掲げていません。
ただ壊したいから壊す。
「常識」が嫌いで、「常識」を笑いたい。
社会秩序をいたずらに散らかしたい。
それが、芸人のルーツなんですね。
最近、政治的発言をされる芸人が
SNSの発達によって増えてきました。
とても良いことです。
ただ思うことがあります。
それは本来の芸人を体現しているのか?
それとも、政治的発言をしたいだけなのか?
芸人として政治的発言をしているのであれば、
ずっと国政与党を否定し続けてはいけません。
地方議会に目を向けると、
自民党以外が県政与党の場所もあります。
その場合、
芸人を体現しているのであれば、
せっかく自民党から主導権取ったのに、
自民党と変わんないじゃねーか。
など、
権力を持っている側を笑うのが、芸人です。
前述した通り、
芸人は社会というパワーゲームの外にいるもので、
だからこそひっくり返すし、
「王様は裸だー」と、
常識や、慣例など、
集団心理の為に
盲点になっている事象を笑い飛ばし、
秩序の破壊を生むのです。
パワーゲームの一端を担っていたら、
それはトランプの数字の1枚です。
「ジャック」や「クイーン」など、
兵力や権力の側に存在してしまっていることを意味します。
「芸人」は「1」〜「キング」まで
全ての役を演じることも出来ます。
だから立川談志は
突然敢えて政治家を演じたのです。
それは、政治を笑いにするという
芸人として当然のトリックスター性です。
さて、これからそんな日本をひっくり返すトリックスター、世界をひっくり返すコメディアン出てくるのでしょうか?
おっと、それでいうと今年、誰もが知ることになった大統領がいます。
彼はコメディアン出身ですね。
このトリックスターという性質を理解していると
なぜコメディアン出身の彼がこんなことを?
と考えていたことが、
なるほど、コメディアンだからこそか!
という、観点も出てきますね。