アフターコロナとマスコット
おはようございます。只今は2020年5月29日金曜日の午前7時半。
既に皆さんご存知の通り去る2月25日のJリーグ村井チェアマンによるJリーグ公式戦の延期発表以降、実に3カ月以上Jリーグの公式戦を目にする機会が無く、悶々とした日々を過ごされているサポーターは多いでしょう。4月16日には全国に緊急事態宣言が発令されましたが、5月25日に先行して発令されていた東京を中心とした首都圏を含め解除となり、徐々にヒトの流れ、モノの流れ、止まって鈍っていた経済の流れをもう一度活発にする方向に日本全体が向かっていく途上にあって、Jリーグも公式戦再開に向けて「新しい生活様式」に配慮しながら具体的な時期や当面の試合マッチングについて模索する動きが出てきました。
その中で今朝スポーツ報知が報じたJリーグの試合に関するある情報にサポーターから動揺の声が広がりました。
Jリーグ公式戦が再開されても1カ月程度はスタンドにお客さんは入れずに試合を行うことが濃厚と言われていますが、その後、観客を入れるようになってからも外部からの「物品」の数を抑えるという名目でマスコットの「来場」の禁止を要望する方針がJリーグからガイドラインで各クラブに示されたと報じています。
自分は普段からJリーグのサポーターの中でも特にクラブのマスコットに愛を向けている方々と交流があるので、朝のTLにはマスコットとの交流の行く末を案じるコメントが並びました。そんな中で、今後各クラブにおけるマスコットの関わりについて考えてみたのでアウトプットとしてお休みの朝を使ってnoteを書きたいと思います。
マスコット=不特定多数との接触
まず、コロナ以前のJリーグの試合会場におけるマスコットについて考えてみると
①グリーティングといわれるスタジアム周辺での来場者との交流。
②ステージイベントに力を入れているマスコットの場合はステージでのパフォーマンス。
③試合直前やハーフタイム中にピッチに登場してサポーターの激励。
④試合後の挨拶
というのが大まかなマスコットの試合日における「お仕事」です。
アフターコロナの世界において口酸っぱく至上命題として挙げられているのが「濃厚接触の回避」ですが、今後を考えると②と③と④に関してはソーシャルディスタンスを考慮すれば濃厚接触は回避できてアフターコロナの公式戦でも問題なくできると思われます。問題は①のグリーティングです。不特定多数のサポーターと接触して握手したり記念撮影に応じたりといったふれあいは、マスコットと感染者の接触リスク、マスコットの「表皮」を介した感染リスクを考えるとアフターコロナでは現状は厳しいのではないかと思われます。いずれにしてもソーシャルディスタンスの回避や、公式戦後のマスコットの「ケア」を考えると、殺菌や消毒、管理といった面でマスコットの所有による手間とコストはコロナ以前から比較すると増大するのではないかということが予想されます。
現状、マスコットを「実体化」して公式戦や広報活動と言ったプロモーションに活用しているクラブはコストの増大と向き合うことになり、それは現在まだ「実体化」させていない、またはマスコットという存在自体を設けていないサッカークラブの意向にも影響を与えかねません。
アフターコロナのマスコット像
そういった中で、考えられるアフターコロナのマスコット像は・・・
①マスコットにスポンサーをつけて管理コストを賄う。
②マスコットを二次元のままで試合演出に活用する。
①は既にマスコットを所有しているクラブの場合で、既にコロナ以前から取り入れているクラブもあります。(例:AC長野パルセイロのライオーにはマスコットのユニフォームスポンサーとして地元長野で工作機械の組み立て等を事業として行っている株式会社 東亜さんがついています)
今後、増大が予想されるマスコットの管理コストをマスコット側で賄ってもらうというのは一つの大きな流れになっていくと思われます。ただ、それはあくまでマスコットを持つ意義、管理コストを負担してでも実体化してプロモーションで活用する意義にプライオリティを置いているクラブの場合です。費用対効果を考えてプロモーションに実体化したマスコットを活用していくのに足踏みをするクラブもおそらく出てくるでしょう。そういったクラブを中心に今後出てくるんじゃないかと個人的に考えるのが②のマスコットを二次元のままで試合演出に活用することです。
実体化させる分の予算を使ってアニメーション制作会社にオーロラビジョンでの選手紹介や試合中のファンの盛り上げにマスコットキャラクターのアニメーションを流せば、実体化したマスコットでは難しい感情の表現やコミカルな演出も可能になり、演出に幅が出ます。また、管理コストも必要が無くなるので導入のハードルは下がります。
アフターコロナのマスコットの楽しみ方
いずれにしても、冒頭で触れたように不特定多数との接触が見込まれるマスコットとの触れ合いに制限がかかる時期というのは、終わりが見えないし、もしかするとずっとずっと来ないかもしれない。また、クラブとしてのマスコットの在り方を考え直すところも出てくるかもしれない。スタジアムにマスコットとの触れ合いを求めて足を運んでいた人たちにとっては耐えがたいものがあると思います。ですが、ある種これも新しいアフターコロナのマスコットの楽しみ方、制約によって新たに生み出され、生かされるマスコットの魅力を見つけるチャンスなのではないかと前向きに考える事も出来るのではないかと思います。
諦めや無理矢理な割り切りではなく、来るJリーグの再開に向けて、どんな形で「再会」できるのか、そしてマスコットのどんな新しい顔と「出会える」のか。期待を膨らませながら待ちましょう!