布団ではないところで眠る
6月が始まった。今月は大学のゼミが始まる忙しい月。Googleカレンダーを見るとドキドキしてきてしまう。
しかし私は忙しいとき、夕ごはんの後にもやらなきゃいけなことがいっぱいあるとき、変に飲み過ぎる。そして、特に今頃の季節は布団の部屋より食事スペースの方が涼しくて快適で、テーブルに突っ伏して寝てしまう。一人暮らしのときは、よく床で寝ていた。テーブルや床がひんやりと肌に触れる、うっとりする感覚。ダメダメ、とは思わない。そうだこの誘惑に身を任せよう、と決心して寝ている。
まだ実家にいた、高校生・大学生の頃は本棚のそばで寝ていた。実家は玄関から居間にかけて廊下があり、そこにきょうだい3人の本棚をつくりつけてもらっていた。一人分は幅1メートルくらいあった。単行本がぴったり入るくらいの奥行で、高さは廊下にある窓の高さに合わせて腰の高さ。実家に帰って本棚を開くと、学生時代の本と私をダイジェストで見ることができる。大学3年生の夏休みには、新潮文庫を100冊読んでパンダの人形をもらおうというチャレンジに挑戦した。その流れで海外・国内の現代作家の小説を読み漁ったり、かと思えば江戸川乱歩やシャーロックホームズなどの推理小説にはまったり。漫画も読んだが、リアルタイムで連載されているものには一切手を出さず、ブラックジャックやめぞん一刻など、復刻版の小さいサイズをバイト代が入っては買って本棚に増やしていった。わたしの本棚は圧倒的に小さいサイズの本が多く、本棚にモザイクのようにおさめられた本は一貫性がない。一方、弟の本棚は漫画が多く、そこでドカベンやバカボンドと出会った。彼は村上春樹や鈴木光司にもはまっていたが、本棚には漫画を入れると決めていたよう。妹は、本棚を与えられたときに小学生だったこともあって、しばらくは本以外のもので彩られているような本棚だった。
その本棚に向かって座り込んだり、本棚の隣で寝そべったり、あるときは本棚の上の幅20㎝ほどのスペース(窓の前で涼しくて気持ちよかった)に落ちないようにからだをおさめて寝ることすらあった。よくあんなところで寝ることができたもんだ。廊下に座り込んでいると弟や妹に蹴られたり、邪魔と言われたからだろう。居間から少し離れた、薄暗いスペース。本に囲まれていると、本の中のひとたちに見守られているような安心感がある。布団ではないところで寝る、わたしの原体験。
(久しぶりに外に飲みに行ったので、ごはん日記はお休み)