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余計なことができる人

足音は風に溶けて、形なき道を描く。
知らぬうちに流れ込む風景が、
言葉のない語り手として心に滲む。

曲がり角、光と影の交わる瞬間、
次に現れるのは何かと問いかける心は、
応えのないまま漂う。
手に触れないまま、そこにある何かを探しているような感覚。

揺れる草の気配、石の冷たさ、
音のない会話が続く。
そこに在る、ただそれだけで、
世界は少し色を変える。

歩むごとに、何かが解け、何かが消え、
風景がゆっくりと滲んでいく。
ただ、今という無名の瞬間に溶け込んでいく、
名前のない旅。

散策、それは形を持たない探求、
答えも地図もなく、ただ漂い続ける。
足跡も記憶も風に消え、
ただ、無限の今を感じるだけ。

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