
漢字ノート其の七『慕』
慕
ボ
した(う) しの(ぶ)

愛慕(アイボ)
敬慕(ケイボ)
思慕(シボ)
追慕(ツイボ)
恋慕(レンボ)
慕情(ボジョウ)
自分に寄り添う
夏の空は、一面に広がる陽の光と影の戯れ。
強い光に目を細め、心の中に揺れる水面を感じる。
影は自らを映し出す鏡でもあり、どこか遠くの湖面に繋がる窓のようでもある。その湖面に映る自分の姿にそっと問いかける。
秋風が運ぶ木の葉たちは、静かに地上へとその旅を終える。
深い色彩をまといながら、それぞれが異なる場所に舞い降りる。
その姿は、時間が紡ぐ贈り物のようで、触れずとも分かり合える距離感を教えてくれる。その落葉の中に、言葉にならない手紙が隠されている。
冬の空気が凛と冷たさを増すとき、森の奥深くから静かな足音が響く。
白く覆われた木々の間に立つ影は、言葉を持たない。
沈黙の中で雪解け水が物語を抱いている。
手を伸ばすことなく、ただその存在を見守る温かさを教えてくれる。
春の大地にそっと耳を当てると、まだ目覚めたばかりの土の声が聞こえる。
芽吹きは焦らず、ただその存在をそこに預ける。
風が通り過ぎるたび、柔らかな若葉が互いに響き合い、静かに調和を奏でる。
それは、目の前の景色に宿る小さな秘密を探る。
四季は語らずとも多くを伝える。
芽吹き、光、色、そして沈黙。
すべての瞬間が巡りゆくものに心を寄せる。
私たちはただその輪の中に身を置き、
自然と響き合いながら、
自らを重ねていくだけでいいのだろう。
漢字を通したボクなりの見解
ここから先は
502字
¥ 1,000