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思い出 彼女の街
スリープサイクルというアプリの思い出について書く。もっと言うと、そのアプリで聞けた「彼女の街」という曲がとても好きだったのだ。アップデートで聞けなくなってしまって寂しい。
このアプリの機能としては、寝ている間に起動させるとレムノンレム睡眠を計測して眠りの浅いときに起こしてくれるものだ。
睡眠導入に流す音として焚き火の音や雨音などを選べるのだが、その中に「彼女の街」があった。
カバーイラストはオレンジとピンクの間の淡い光に照らされたビル群で、朝日に照らされたニューヨークの絵だと思った。行ったこともないのに。
私の中では「彼女」は大学時代の友人である。学部もサークルもかぶっていないのだけど、一年生のときに取っていた教養の授業で知り合って、小説や映画の趣味が一緒で連絡を取るようになった。遊びに行くことはないけど、感想を言い合うLINEをたまにする。
卒業後、私は地元に帰って公務員として働いている。彼女はニューヨークに渡り、大学院で専門を極め、今でもその街で働いている。
面白い小説があると、久しぶりの言葉もなく、〇〇読んだ?とLINEをするのは変わらない。
私にとってニューヨークは彼女の街だ。
「彼女の街」という曲は、朝、彼女が戦う街のアパートのベットで大きく伸びをするところが思い浮かぶ。
朝のリレーでバトンを受け取り、私は眠りにつく。私は朝起きなくてはならないときに一番眠気を感じるので、彼女の起きるぞ〜を想うと眠くなるのだ。
彼女のテーマ曲が聞けなくて寂しい。あの懐かしい木琴のような、ハープのような、流れる温水プールのような、誰かを思い出す気持ちになる曲が好きだった。