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#日本酒

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日本酒はそのままの姿で日本文化を表している。日本酒のこと、日本酒と自分のこと、テイスティング関連記事をまとめてます。
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#海外

日本酒コミュニティの距離感と多様性。

「さけのわ」という日本酒レビューのSNSがあり、ぼくも昨年12月頃からやっています。 飲んだ日本酒の味わいを記録して文章(メモ)と写真を投稿する、というのが基本的な使い方なんですが、 純粋に個人的な記録用として詳細数値(日本酒度や酸度等)だけをメモする人、解説文無しで写真だけをひらすら投稿する人、その日本酒の味わいから想起される過去の記憶を辿って散文調にまとめる人、など実に多様な人がいます。 「さけのわ」の中の様子は以下で詳述しますが、日本酒を飲み始めたばかりの人から長

お酒の嗜好にも「家庭の味」がある。

ぼくはお酒が好きで、ぼくの中では、「豊かな人生を送ること」と「お酒を楽しむこと」の間には大きな相関関係があります。 利き酒師という日本酒関係の資格を持っていますが、何も日本酒だけが好きなわけではなく、ビールもワインもウイスキーも好きだし、焼酎も好き。 仕事でヨーロッパに駐在していた頃は、仕事終わりに近所のスーパーに寄って品揃え多彩なワインやビールを選ぶ行為そのものが楽しかったし、こだわりの酒屋さんでマスターのウンチクを聞きながら試飲させてもらったウイスキーの味わいは今でも

日本酒の注文の仕方。

日本酒の注文って、ちょっと悩ましい。 何かというと、酒屋さんや日本酒居酒屋さんで好みの日本酒の味わいを伝えるのは、結構ハードルが高いんじゃないかということ。 特にお酒の回転の良い人気の日本酒居酒屋さんとかだと、メニューがない店も数多く存在します。メニューを作成してる間に酒瓶が空になってる、なんてことが発生するからです。 そんなお店で、「一杯目、どんな感じの日本酒で行きましょ!?」っていう店長さんの質問に的確に答えるのはかなりハードルが高いと思ってます。 そんな店長さん

日本酒を好きな理由。

どうしてこんなに日本酒が好きなんだろう?って、ここ数ヶ月は特に日本酒にハマッていることから時折考えてしまいます。 こういうのって「好きなものは理由なく好き」というシンプルな世界なのでそれで十分かも知れないんですが、ここまで惹かれるのには何か背景があるんだろうという感覚もあって。 今日は、そんな日本酒を愛する理由を思いつくままに書いてみます。 1.原風景との合致ぼくは関西の、「ど」がつく田舎で生まれ育ちました。家を一歩出れば雄大な山々に囲まれた風景で、田んぼや畑、稲や果物

日本酒とは日本文化のことであり、自分自身のことだ。

「日本の特徴って何だろう」 「日本人の特性を言い表すとすれば」 「日本が世界に誇れるものって何だろう」 ずっと考えて来ました。 学生時代に「発展途上国」に対する「援助」について学び、その実践の一環として大学を休学して東南アジアのとある山奥で海外ボランティアに携わって以来、一貫して海外との接点の中で暮らしてきました。 仕事で海外駐在も経験し、現在でも海外出張はもちろん、プライベートでも纏まった休みがあれば時折海外旅行に出かけます。 「海外に触れると日本のことがよく見え

日本の原点に辿り着くと、そこは日本酒の原点だった。

学生時代からの彼此20年ほどの間、常に海外と身近に接する人生の中、日本人の心性の本質は「自然へのリスペクト」にあると気付いた。 日本人の持つ自然への敬意を体現した日本酒は、そのままの姿で日本文化を表しているということ、そして日本酒の芯を形作るものが、そのまま自分に繋がっているということを前回記事に書いた。 今回はその関連記事。 奈良県の三輪にある大神神社(おおみわじんじゃ)を参拝した。 何でもない平日、珍しく何の予定もない。 心静かになれる絶好の参拝日和だ。

日本酒は白ワインの代わりになる、という言説について。

「白ワインみたいな日本酒」 こんな表現をよく見かける。 ぼくも使う。 果実や花やシトラスなどを感じさせる華やかな香りと酸味のキレ感。お米の旨み・甘みだけではない、どこか凛とした清涼感を感じさせる白ワインのような味わい。 綺麗な飲み口を表現した日本酒が増えている。 最近飲んだ銘柄の中ですぐに思い浮かぶだけでも、『仙禽 無垢』『作 Z』『醸し人九平次 EAU DU DESIR』。白ワインのような日本酒。テイスティングの記録を辿ればもっとあるだろう。 とても美味しいと