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折坂悠太(重奏)心理ツアー

先週11月26日花金の日に、折坂悠太(重奏)の心理ツアーのライブに行ってきた。場所はロームシアター京都サウスホール。

10月に発売されたアルバム「心理」を持ってのツアー。

折坂悠太を知ったのはドラマ「朝顔」の主題歌だった。
ドラマの1話の終わり流れてきた歌が、あまりにハマりすぎていて苦しくてドラマの内容も震災が絡んでいて、その時の心情などもあり1話きりで見なくなった。
もちろん折坂悠太の歌もそれ以降は聴いていなかった。

なぜそんな私がライブに行ったかというと、友人の影響が大きい。
友人がたいそう聴き込んで敬愛しているアーティストはめずらしかったから。

人に勧められて音楽を聴いてもなかなか入り込めないのは、音楽は第六感的要素があると思う。

見えない自分との波長、波動、フィーリング。

友人が今年の6月に折坂悠太のライブに行くというので、私も行く事にした。
正直歌もそこまで聴き込んおらず、まだまだ例のウィルスに安心出来る状態ではく、ただただライブに行きたいという動機が大きかった。

ライブのタイトルは<うつつ>。歌声とヒリヒリと伝わる情緒的なにか。ライブがとてもよかったので、そこから聴くようになった。

フジロック2021の辞退についてのステートメントも、それはそれは折坂悠太らしいことばと気持ちの詰まったものだった。
どちらの選択が正しいか間違っているのか、それはだれにも決められないものだったと思う。

さて、今回の心理ツアー。
感想を簡潔に率直に述べると、「人生で忘れられないライブ」だった。
座席は前から3列目の真ん中よりの左という良席。

今回のツアーも演奏は重奏メンバー。

ピアノ yatchiさん
コントラバス 宮田あずみさん
パーカッション 宮坂遼太郎さ
ドラム senoorickyさん
サックス ハラナツコさん
ギター 山内弘太さん
6人のメンバー中4人が京都を拠点に活動する音楽家

この重奏のメンバーから漏れでて何層にも重なるサウンドから音楽のよろこびとか、たのしさ、侘しさ、そういった類のものをとても強く感じる。

そこに折坂悠太のうたが心柱となって、ツアーの物語が進み出す。
振り返ると今はそのように思う。

暗闇からはじまり、暗闇でおわる。その時の音が、異次元につながる穴に吸い込まれるような感覚でもあり、太古のまだ人間が存在しない時代のような感覚にも陥った。

アルバム「心理」はどの曲も名曲だが、わたしは「炎」という曲が心を朧げな灯りで照らしてくれるようで好きだ。

今回のライブでいちばん心に迫ったのは韓国のアーティスト、イ・ランが参加している「ユンスル」という曲。
川の水面のキラキラを韓国語では「ユンスル」というらしい。

当然ながらイ・ランはこのステージには出てこないけれど、通信するかのようにイ・ランの声が入ってきてとてもあったかい気持ちになった。

この曲に入る前のMCで「死んでほしくない人が年々増える」ということばが出てきて、生きることと同じくらい死ぬことについて身近に考えているんだなと思った。

派手な演出は無いのに、何故ここまで魅了されたのか、、残念ながらわたしはまだその答えを的確に表すことばを持ち合わせていない。

ライブ後は家に直帰するはずが、友人と余韻から抜け出したくなくて打ち上げへ。

スパークリングワインの気泡がもっとゆっくり上がってきたらいいのに、とほろ酔いながら内心思った。


折坂悠太(重奏)すばらしいライブをありがとう。
友人よわたしに折坂悠太をおしえてくれてありがとう。

音楽は鳴り止まない

野生の女

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